2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12046221
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 英典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90135426)
廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 助教授 (30192719)
上田 寛 東京大学, 物性研究所, 教授 (20127054)
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Keywords | 新超伝導体 / 幾何学的フラストレーション / 量子磁性体 / 酸化物 / Cd_2Rr_2O_7 / Na_<0.33>V_2O_5 / AlV_2O_4 / MgTi_2O_4 |
Research Abstract |
新たな超伝導体としてパイロクロ型Cd_2Re_2O_7(Tc=1K)とNa_<0.33>V_2O_5(Tc=8K、圧力下)を発見した。 Cd_2Re_2O_7超伝導体は典型的な幾何学的フラストレーション系であるパイロクロア酸化物において初めて発見された超伝導として注目を集めている。物質の発見後、多くの物性研究者を巻き込む形で、多彩な物性の測定が行われた。その結果、構造相転移の臨界性と超伝導発現の密接な関係が明らかになりつつある。Na_<0.33>V_2O_5の超伝導は電子の自己組織化すなわち電荷秩序が融解したところで現れることに注目が集まっている。V酸化物としてはじめての超伝導であることはいうまでもないが、電子の自己組織化と超伝導発現機構との間の密接な関連をめぐって、多くの議論が巻き起こされている。 三次元における幾何学的フラストレーションの代表的な舞台であるスピネル型酸化物の物質・物性開拓が進んだ。AlV_2O_4では静的電荷秩序構造が同定された。幾何学的フラストレーションによる電荷配置の縮退によって、異常な原子価状態を含んだ電荷秩序が実現していることが明らかとなった。量子性の強いS=1/2でかつ三次元フラストレーションを含む系として、その磁性が注目を集めてきたMgTi_2O_4が初めて化学量論比で合成された。その結果、スピンギャップを有する新奇な量子スピン状態が基底状態であることが見出され、理論実験両面からの研究が発展しようとしている。LiMn_2O_4をはじめとするスピネル酸化物の精密化学組成制御が行われた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Matsuno, T.Katsufuji, SMori, Y.Moritomo, A.Machida, E.Nishibori, M.Takata, M.Sakata, N.Yamamoto, H.Takagi: "Charge Ordering in the Geometrically Frustrated Spinel AlV_2O_4"Journal of the Physical Society of Japan. Vol.70 No.6. 1456-1459 (2001)
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[Publications] R.Kanno, M.Yonemura, T.Kohigashi, Y.Kawamoto, M.Tabuchi, T.Kamiyama: "Synthesis and structure of lithium manganese oxide spinel LiMn_2O_<4-δ>(0<δ<0.27)"J. Power Sources. Vol.97-98. 423-426 (2001)
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[Publications] Y.Ueda, H.Yamada, M.Isobe, T.Yamauchi: "Charge order and quasi-one-dimensional behavior in β(β')-A_xV_2O_5"J. Alloys and Compounds. Vol.317-318. 109-114 (2001)
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[Publications] M.Hanawa, Y.Muraoka, T.Tayama, T.Sakakibara, J.Yamaura, Z.Hiroi: "Superconductivity at 1 K in Cd_2Re_2O_7"Phys. Rev. Lett.. Vol.87 No.18. 18700-18701 (2001)
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[Publications] Z.Hiroi, N.Kobayashi, M.Hanawa, M.Nohara, H.Takagi, Y.Kato, M.Takigawa: "Spin-1/2 kagome-like lattice in Volborthite Cu_3V_2O_7 (OH)_2/2H_2O"J. Phys. Soc. Jpn. Vol.70 No.11. 1-8 (2001)