2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12046235
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
北川 宏 筑波大学, 化学系, 助教授 (90234244)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 忠興 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (50010939)
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| Keywords | スピン / 電荷 / 混合原子価 / MMX chain / モット転移 / 一次元系 / 電子-格子相互作用 / スピン-パイエルス転移 |
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| Research Abstract |
ジチオ酢酸配位子(MeCS_2)をよりbulkyなジチオ吉草酸配位子(n-BuCS_2)に置き換えた錯体では、鎖間距離がPt_2(MeCS_2)_4Iに比べて伸びることが予想され、S…S接触が弱まりより一次元性が増すと考えられる。Pt_2(n-BuCS_2)_4Iについて、結晶構造、伝導物性、磁性、光物性について検討を加えた。
Pt_2(n-BuCS_2)_4Iには、高温相(T>323K)、中間相(323>T>210K)、低温相(210K>T)が存在することがわかった。抵抗率の温度依存性は、高温相で金属的、中間相、低温相で半導体的である。C=S赤外伸縮モードから、高温相では単一原子価状態、中間相、低温相では、Ptイオンは混合原子価状態にあることがわかった。高温相から中間相への金属-半導体転移では、磁化率に明瞭な減少は観測されず、モット型の転移と考えられる。中間相から低温相への転移は、ヒステリシスを伴って磁化率が減少することから、構造相転移を伴った特異なスピン-パイエルス転移であると解釈される。一次元鎖方向の反射率は、金属-半導体転移に伴い0.5eV以下の低エネルギー領域で減少する。クラマス-クローニッヒ(K-K)変換から、中間相、低温相では幾つかのダイマー間電荷移動遷移が見出され、エキシトン効果の存在が示唆された。低温相の一次元鎖の電子・格子構造は、-Pt^<2+>-Pt^<3+>-I-Pt^<3+>-Pt^<2+>-I-の交互電荷分極状態にあると考えられ、最近、Pt_2(n-C_4H_9CS_2)_2IにおけるX線構造解析により、200K以下で二倍周期の三次元的秩序化が起こり、(4)の構造へ相転移することが明らかになった。
金属錯体の単核骨格を多核化しユニット内の電荷分布の自由度を上げることにより、純粋d電子系錯体としては報告例の少ない金属電導性とPtの価数不安定性(Valence Instability)に基づく興味深い電荷格子秩序状態の転移を見いだした。中性鎖構造を逆に利用して、キャリアー・ドーピングによるゆらぎの直接的な導入を試みや、他の多核混合原子価クラスタ-錯体を利用して、強いスピン-電荷-格子結合を有する電導性集積型金属錯体の開発も現在進行中である。
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[Publications] H.Kitagawa, et al.: "Low-temperature X-ray Single-Crystal Analysis of a Conductive Mixed-Valence MMX-chain System."Synthetic Metals. 116. 401-404 (2001)
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[Publications] T,Manabe, et al.: "Syntheses and Physical properties of quasi-one-dimensional chloro-bridged Ni-Pd mixed-metal MX-chain Compounds"Synthetic Metals. 116. 415 (2001)
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[Publications] Hokitagawa, et al.: "Valence Locali zation i and Its ordering in a Mixed-Valence MMX-Chain Complex"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 342. 145 (2000)
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[Publications] M.Fujishima, et al.: "Hydrogen-Induced Properties of Coodination"Synthetic Metals. (in press).
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[Publications] S.Maki, et al.: "A Novel CT complex of TTF Having…"Synthetic Metals. (in press).
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[Publications] Z.Tang, et al.: "Halise-Bridged Zigzag chain of -"Chemisty Letters. 1006 (2000)
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[Publications] 三谷忠興 他: "高圧力の科学と技術"水素結合における構造物性と機能. 28 (2000)
