2003 Fiscal Year Annual Research Report
異方的超伝導体における秩序間の競合と共存に関する理論的研究
Project/Area Number |
12046238
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古崎 昭 独立行政法人理化学研究所, 物性理論研究室, 主任研究員 (10238678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常次 宏一 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80197748)
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Keywords | 量子スピン系 / 量子ゆらぎ / 量子液体相 / スピン軌道結合系 / 量子ANNNIモデル / 密度行列数値繰り込み群 |
Research Abstract |
異なる秩序間の競合における量子揺らぎの影響を調べるために、1次元の量子ANNNIモデルの研究を行った。とのモデルにおいては、波数q=0とπ/2の2つの古典秩序相の競合に、磁壁の量子ダイナミックスが取り入れられている。磁壁自由度をフェルミオン化する手法を用いることにより、2つの古典秩序の量子干渉効果による量子液体相が現れることを示し、この量子液体相と古典秩序相の相境界を決定した。さらに、高次の量子補正に対して検討を行い、量子液体相から無秩序相への転移を考察した。 バナジウム・スピネル系における磁気長距離秩序の発現に関する軌道自由度の役割について数値的に研究を行った。高温における軌道長距離秩序の発現がトリガーとなって低温で複雑な磁気秩序を誘起する振舞いを量子モンテカルロ計算によって示した。 一次元量子スピン模型の絶対零度における磁場中のスピン相関関数を密度行列繰り込み群法を用いて数値的に求め、それを低エネルギー有効理論を用いて解析的に計算した相関関数と比較することにより、相関関数の振幅を高精度で決定した。さらに、この結果を用いて、交替横磁場によるスピンギャップの大きさや動的構造因子の散乱ピーク位置を計算した。 一次元拡張ハバード模型のハーフ・フィリングにおける基底状態の相図をボゾン化法と摂動論的繰り込み群により決定した。電荷秩序相とモット絶縁相の中間に、自発的にダイマー化した絶縁相が現れることを指摘した。さらに、交替サイト・ポテンシャルを加えた場合について考察し、上記の自発的ダイマー相がバンド絶縁相とモット絶縁相の中間相となるととを示した。
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[Publications] H.Tsunetsugu, Y.Motome: "Magnetic transition and orbital degrees of freedom in vanadium spinels"Physical Review B. 68・6. 060405 (2003)
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[Publications] F.H.L.Essler, A.Furusaki, H.Hikihara: "Dynamical structure factor in copper benzoate and other spin-1/2 antiferromagnetic chains"Physical Review B. 68・6. 064410 (2003)
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[Publications] Y.Imai, N.Kawakami, H.Tsunetsugu: "Low-energy excitations of the Hubbard model on the Kagome lattice"Physical Review B. 68・19. 195103 (2003)
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[Publications] M.Tsuchiizu, A.Furusaki: "Ground-state phase diagram of the one-dimensional half-filled extended Hubbard model"Pbysical Review B. 69・3. 035103 (2004)
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[Publications] T.Hikihara, A.Furusaki: "Correlation amplitudes for the spin-1/2 XXZ chain in a magnetic field"Physical Review B. 69・6. 064427 (2004)