2001 Fiscal Year Annual Research Report
光散乱による遷移金属酸化物のスピンダイナミクス及び電荷秩序の研究
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12046257
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
関根 智幸 上智大学, 理工学部, 教授 (60110722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒江 晴彦 上智大学, 理工学部, 助手 (40296885)
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Keywords | ラマン散乱 / スピンパイエルス転移 / 圧力誘起構造相転移 / 不整合相 / 磁気励起 / ソリトン / Mn酸化物 / 電荷秩序 |
Research Abstract |
1.不純物置換系CuGeO_3のラマン散乱の研究成果 (1)Niをドープした単結晶のラマン散乱より、スピンパイエルス相で現れる折り返しフォノンを調べた。ドープ濃度が増えると、転移温度と伴に格子変位の大きさが低下し、スピンパイエルス転移は抑圧され、2%以上では長距離秩序は起こらない。また、2%以上の試料でも、低温で現れる反強磁性相で、幅広い折り返しフォノンが観測でき、格子変位の短距離秩序は存在する。 (2)Niをドープした系では、不純物Niイオンの束縛スピノンを中間状態として、磁気ギャップモードの1次ラマン散乱が観測できた。2つの磁気励起束縛状態からの2次ラマンピークは、ドープ量を増やすと共鳴状態になり、急速に消失する。 (3)Niドープ系での高磁場下で誘起される不整合相では、磁気ギャップモードはソリトン格子からの励起に成り、高周波数にピークが移動し、磁気励起束縛・共鳴状態の散乱強度は急速に減少する。 (4)高濃度にMnやNi、Znをドープした試料の室温・静水圧下でのラマン散乱より、純粋な試料の非静水圧下で現れるpyroxene構造への逐次相転移が起こることを発見した。 (5)高濃度にMgをドープした試料で、低温・高圧下でスピンパイエルス相が復活する事を、折り返しフォノン、磁気ギャップモード、磁気励起束縛状態を観測することより示した。 (6)高圧下では結晶構造の違うスピンパイエルス相が現われ、Mg3.5%試料で圧力及び温度に対する相図を得た。 (7)Mnドープ系でMnイオンの局在フォノンを観測した。 2.Mn酸化物Nd_<1-x>Sr_xMnO_3のラマン散乱及び光反射の研究成果 (1)x=0.5及び0.49の試料で、電荷秩序に伴う格子歪みによって活性化されたフォノンピークを、相転移温度以下で観測した。 (2)低周波数領域に、温度を低温から電荷秩序相転移温度に上げると、半値幅が異常に大きくなるOverdampedピーク(磁気励起と思われる)を発見した。 (3)x=0.48では、電荷秩序相転移がなくなるため、この相で現われるフォノンピークが観測できない。
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[Publications] H.Kuroe: "Raman and Luminescence Spectra in the Spin-Peierls System Cu_<1-x>Ni_xGeO_3"Physica B. 284-288巻. 1643-1644 (2000)
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[Publications] T.Sekine: "Raman-Scattering Study of Doping Effects on the Structural Phase Transitions under Hydrostatic Pressures in CuGeO_3"Journal of the Physical Society of Japan. 70巻・1号. 290-296 (2001)
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[Publications] H.Kuroe: "Low-Frequency Excitations in the Charge-Ordered Phase of (Nd_<0.5>Sr_<0.5>)MnO_3"Physica B. (in press). (2002)