2002 Fiscal Year Annual Research Report
フレーバー混合に関わる素粒子現象と標準模型を超える物理
Project/Area Number |
12047201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10222366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 純治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (60300670)
山田 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00281965)
諸井 健夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60322997)
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Keywords | 超対称性 / ニュートリノ / CP対称性 / レプトンフレーバーの破れ / 量子補正 / 素粒子標準模型 |
Research Abstract |
ニュートリノの質量の起源を説明するシーソー機構を超対称化した場合、荷電レプトンにおいても同様にフレーバーおよびCPの破れの事象を予言する。また、シーソー機構を内包する超対称大統一模型において、ニュートリノセクターのフレーバーの破れがハドロンのフレーバーの破れに寄与しうる。久野はこれらの模型でのレプトンおよびハドロンのフレーバーの破れの事象およびCPの破れの事象の解析を行った。 超対称標準理論で導入される超対称性を破る質量項は、一般に新たなCP対称性の破れを引き起こすため、その形は強い制限を受けている。山口は、2つのヒッグスボソンの混合を与えるパラメータ(Bパラメータ)がダイナミックスによってゼロになるような模型を考案し、新たなCP問題の解を提案した。また、スカラー3点結合定数(Aパラメータ)とBパラメータがプランクスケールで共にゼロになっているために超対称理論におけるCPの問題が解けている模型について、その現象論的帰結を調べ、現在の実験からの制限をクリアするパラメータ領域があり、したがってこの場合が現実的なCP問題の解になっていることを示した。 超対称模型に含まれる各種のスカラー粒子の混合角を、その粒子のself energyを用いてくりこむ手法が提案されているが、これにはself energyのゲージ依存性からくる理論的困難がある。そこで、山田は、このゲージ依存性をpinch techniqueによって系統的に除去する手法についての分析を行った。Pinch techniqueの適用の際、標準模型では現れなかった不定性を指摘し、それがbackground field methodとの対応関係を用いて解決できることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.R.Ellis, J.Hisano, M.Raidal, Y.Shimizu: "A new parametrization of the seesaw mechanism and applications in supersymmetric models"Phys.Rev. D. 66. 115013 (2002)
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[Publications] J.Hisano, R.Kitano, M.M.Nojiri: "Flavor mixing in slepton production at the large hadron collider"Phys.Rev. D. 65. 116002 (2002)
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[Publications] M.Endo, M.Matsumura, M.Yamaguchi: "Phenomenology of minimal supergravity with vanishing A and B soft supersymmetry-breaking parameters"Phys.Lett. B. 544. 161-166 (2002)
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[Publications] M.Yamaguchi, K.Yoshioka: "Dynamical solution to supersymmetric CP problem with vanishing B parameter"Phys.Lett. B. 543. 189-196 (2002)
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[Publications] J.R.Espinosa, Y.Yamada: "Scale-and gauge-independent mixing angles for scalar particles"Phys.Rev. D. 67. 036003 (2002)
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[Publications] T.Moroi, H.Murayama: "CMB Anisotropy from Baryogenesis by a scalar field"Phys.Lett. B. 533. 126-134 (2003)