2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12047207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 洋一郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70144425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小汐 由介 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (80292960)
竹内 康雄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60272522)
中畑 雅行 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70192672)
西嶋 恭司 東海大学, 理学部, 助教授 (40202238)
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Keywords | ニュートリノ / 太陽ニュートリノ / スーパーカミオカンデ / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
本計画は、^8B太陽ニュートリノを精密に測定することにより、太陽ニュートリノ振動の確実な証拠を捕らえることである。2001年に、スーパーカミオカンデによる太陽ニュートリノ強度による測定とSNOによる測定を比較することにより太陽ニュートリノが確実に振動している証拠が得られた。これにより、本計画の目標のひとつは達成されている。現在、大混合角度解とされている太陽ニュートリノ振動解から予想される昼夜の強度差、そして、わずかなスペクトルの歪みを観測する努力を行っている。スペクトルの歪みを観測するには、観測可能なエネルギー閾値をできる限り下げることである。我々は、当初目標とした4.5MeVまでの太陽ニュートリノ信号の検出に成功した。今後、スペクトル測定の観測感度をあげることにより大角度解であることの確認を行いたい。2%であるといわれている昼夜の強度差に関しては、1.8±1.6%が得られた。これは、振動解から期待される値とコンシステントであるが、まだ、統計的には十分でない。 さて、この重要な太陽ニュートリノ振動を最終決着するには太陽ニュートリノの90%以上を占める低エネルギーのpp-7Be-ニュートリノでニュートリノ振動が確認され、パラメータが精密決定されることが必要である。本研究の第二の目標は、pp-7Be-ニュートリノ観測の測定器の開発を行いその実現可能性を示してゆくことである。これまでの研究結果にもとづき、液体キセノン検出器の開発を行っている。10トンのキセノンを用いることで1日15事象のPP-7Be-ニュートリノが観測できる。本年度は100kgのプロトタイプを製作し、テスト実験を行った。低エネルギー太陽ニュートリノの検出に必要な自己遮蔽能力を実証した。また、別途、キセノン純化装置を製作し、稼動させ、バックグラウンドであるクリプトンを1000分の1にすることに成功した。目的とした開発研究目標はほぼ達成している。総合的に考え、液体キセノン検出器は、低エネルギー太陽ニュートリノの検出装置として使える可能性が十分あるとおもわれる。
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[Publications] M.B.Smy et al., Super-Kamiokande Collaboration: "Precise Measurement of the Solar Neutrino Day/Night and Seasonal Variation in Super-Kamiokande I"Physical Review D. 69. 011104 (2004)
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[Publications] J.Yoo et al., Super-Kamiokande Collaboration: "A Search for Periodic Modulations of the Solar Neutrino Flux in Super-Kamioknade I"Physical Review D. 68. 092002 (2003)
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[Publications] Y.Gando et al., Super-Kamiokande Collaboration: "Search for anti-nu(e) from the Sun at Super-Kamiokande-I"Physical Review Letters. 90. 171302 (2003)