2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12047226
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
松岡 武夫 皇學館大学, 社会福祉学部, 教授 (90022722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 正久 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30111868)
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Keywords | 超弦理論 / 統一模型 / ゲージ対称性 / フレーバー対称性 / ニュートリノ振動 / コンパクト空間 / シーソー機構 / 湯川結合 |
Research Abstract |
クオーク・レプトンの質量と世代混合には其々に特徴的なパターンがある。重力を含めた統一理論としての超弦理論に基づけば、これらの特徴は、余次元コンパクト空間の構造に起因するフレーバー対称性によって説明される必要がある。具体的に、SU(6)^*SU(2)R模型にフレーバー対称性として巡回群とR-parityの拡張になっている2項2面体群を適用し、クオーク・レプトンの質量と世代混合、colored Higgs粒子の質量、ミュー項のスケール、それに右巻きニュートリノの質量のスケールを統一的に説明できる解を求めた。この場合、フレーバー対称性は、アノマリー条件を満さなくてはならない。これは、大域的対称性は量子重力効果によってプランク・スケール付近で破れることから、フレーバー対称性は局所ゲージ対称性のunbroken部分群である必要があるためである。このアノマリー条件は模型に対して強い制限を与え、この解の存在は単純ではない。我々は、このアノマリー条件を詳しく検討し、LMA-MSW解の場合にのみ上記の性質を統一的に説明できる解を見出した。 得られた解は、弦のスケールにおける模型の基本枠組みを与えている。このLMA-MSW解の中間のエネルギー領域における粒子スペクトル構造と量子補正効果を繰り込み群を用いて検討し、この解を電弱スケールにおける物理に結び付けていく必要がある。まず、プランク・スケール付近におけるゲージ対称性SU(6)^*SU(2)Rの有効理論には、colored Higgs粒子に大きな質量を与える大きな湯川結合が存在し、この大きな湯川結合からの量子補正によってプランク・スケールの直ぐ下のスケールで大きなゲージ対称性がSU(4)^*SU(2)L^*SU(2)Rに自発的に破れ、さらに、これが引き金となってプランク・スケールの凡そ10分の1のエネルギー・スケールで標準模型ゲージ群に自発的に破れるパラメーター領域があることを示した。
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[Publications] 阿閉義一, 服部忠一朗, 林武美, 伊東正人, 松田正久, 松永守, 松岡武夫: "Non-Anomalous Flavor Symmetries and SU(6)^*SU(2)R Model"Progress of Theoretical Physics. 108, No.5. 965-984 (2002)
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[Publications] 林武美, 伊東正人, 松田正久, 松岡武夫: "Precocious Gauge Symmetry Breaking in SU(6)^*SU(2)R Model"Progress of Theoretical Physics. 109, No.4. 651-662 (2003)