2000 Fiscal Year Annual Research Report
BESS測定器による宇宙線μ粒子絶対流束高度変化の精密測定
Project/Area Number |
12047227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
吉田 哲也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50222394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 克昌 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (00013425)
槇田 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30199658)
山本 明 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (30113418)
三井 清美 山梨学院大学, 経営情報学部, 教授 (80013340)
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Keywords | BESS / μ粒子残留大気圧依存性 / 気球搭載型超伝導スペクトロメータ / 陽子・ヘリウムスペクトラム / ドリフトチェンバの開発 / ニュートリノスペクトラムへの地磁気効果 |
Research Abstract |
気球搭載型超伝導スペクトロメータ(BESS)を用いて地磁気限界硬度の小さなカナダ北部において宇宙粒子線観測気球実験を実施し、気球上昇中のデータから二次宇宙線μ粒子成分のエネルギースペクトラムの残留大気圧依存性を観測した。また同時に浮遊高度での高統計のμ粒子エネルギースペクトラムの測定や、運動エネルギー100GeV程度までの一次陽子・ヘリウム宇宙線のエネルギースペクトラムの観測を行った。本年度の実験では、特に1GeV以下の低エネルギー陽子・ヘリウム成分のスペクトラムの大気での生成分を正確に評価するために、気球上昇中に低エネルギー陽子・ヘリウムの残留大気依存性を測定した。 さらに平成13年度の観測気球実験において各種一次宇宙粒子線のエネルギースペクトラムを0.1GeVから1TeVの広いエネルギー領域にわたって精密に測定するためにBESS測定器の運動量分解能を画期的に向上させるべく、超伝導ソレノイドのボア部に設置される新しい飛跡検出器(ドリフトチェンバ)の開発を行った。このドリフトチェンバは従来のJET/IDCを一体化したもので、軌跡の位置分解能を向上させると同時に、将来の長時間気球実験での超低エネルギー宇宙線反陽子観測に備えて気密性の向上や物質量の削減を図っている。 一方宇宙線の大気中での発展の様子を記述するモデルを確立するために、地磁気効果を考慮してニュートリノスペクトルを計算した。また水中チェレンコフによる電子、ミューオンの粒子判別についてもシミュレーションで検討を続けている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Shikaze et al.: "Large-area Scintillation Hodoscope with 50ps Timing Resolution onboard BESS"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. A455. 596-606 (2000)
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[Publications] H.Matsumoto et al.: "Technical Progress of the BESS Spectrometer"Proc.22^<nd> Intl. Symposium Space Technology and Science. 2. 1659-1663 (2000)
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[Publications] H.Matsunaga et al.: "Recent Results from the BESS Experiment"Proc.22^<nd> Intl. Symposium Space Technology and Science. 2. 1720-1725 (2000)
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[Publications] T.Sanuki et al.: "Precise Measurement of Cosmic-Ray Proton and Helium Spectra with the BESS"The Asrrophysical Journal. 545. 1135-1142 (2000)
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[Publications] 三井清美: "シミュレーションによる電子-ミューオン判別の検討"山梨学院大学経営情報学論集. 7. 85-98 (2001)