2001 Fiscal Year Annual Research Report
キイロショウジョウバエの高次脳領域を構成する神経回路の構造と発生過程の解析
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12048226
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊藤 啓 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (00311192)
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Keywords | キイロショウジョウバエ / 神経回路網 / 脳 / エンハンサートラップ / 発生 / キノコ体 / 三次元再構成 / GFP |
Research Abstract |
脳の重要な感覚処理系である嗅覚系について、嗅覚系一次感覚野である触角葉と、二次感覚野であるキノコ体・側角を結ぶ投射神経回路を詳しく解析した。まず、触角葉と側角を結ぶ経路として従来知られていたiACT、mACT、oACT(inner,middle,outer antennocerebral tract)の3経路に加え、新たにvACT(ventral ACT)を同定した。これら4経路で投射する介在神経細胞が、触角葉でどのような投射をするかを解析した結果、iACTのほぼ全てとmACTの一部の投射神経は、触角葉の単位構造である糸球体単位のuniglomerularな投射パターンを示すのに対し、mACTの残りとvACT、oACTの投射神経は、糸球体の境界を越えたmultiglomerularな投射パターンを示した。iACTの側枝は、ACT線維束に近いzone1、calyx中心部のzone2、Kenyon線維の束に近いzone3の3つの領域に分類できた。またvACTの線維は全てzone1のみに投射していた。iACTの線維は更に側角まで伸びて終末するが、その終末の樹状分岐は、前から見るとdorsal、equatorial,、ventralの3つに分類できた。それぞれの分類を上から見ると、dorsalはD1、D2の2つ、equatorialはEの1つ、ventralはV1、V2、V3の3つ、合計6つのzoneに分類できることが分かった。D1、D2に終末する投射線維は、キノコ体ではzone3に側枝を伸ばすものばかりであった、またV1、V2、V3に終末するものは、キノコ体ではzone1と2に側枝を伸ばしていた。このように側角とキノコ体の投射には、一定の相関が観察された。これら特徴的な線維の投射・終末パターンは、成虫が羽化する前の後期蛹の脳において、すでに完成しており、成虫の成熟にともなう構造変化は見られなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kurusu M, Awasaki T, Masuda-Nakagawa LM, Kawauchi H, Ito K, Furukubo-Tokunaga K.: "Embryonic and larval development of the Drosophila mushroom bodies : concentric layer subdivisions and the role of fasciclin II"Development. 129. 409-419 (2002)
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[Publications] Verkhusha V.V., Otsuna H., Awasaki T., Oda H., Tsukita S., Ito K.: "An enhanced mutant of red-fluorescent protein DsRed for double labeling and developmental timer of neural fiber bundle formation"J. Biol. Chem.. 276(32). 29621-29624 (2001)