2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞移動を制御するLIS1カスケードおよびその制御機構の解明
Project/Area Number |
12050214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 洋由 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (40167987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 淳賢 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20250219)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経細胞移動 / 神経突起伸長 / 神経回路形成 / 精子形成 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究ではI型滑脳症(Miller-Dieker, ILS)の原因遺伝子産物であり、神経細胞移動を制御するLIS1のシグナル系について解明することを目的としている。我々は、これまでLIS1が細胞内I型PAFアセチルハイドロラーゼの触媒サブユニット(α1、α2)や、カビの核移動に異常がみられる変異株の原因遺伝子産物の一つであるNUDEの哺乳類ホモログ(NUDE、NUDEL)と結合することを明らかにしており、これらの分子の機能の解析を進めてきた。 培養細胞においてNUDEは全ての細胞に発現が見られるのに対し、NUDELは神経系細胞のみに発現が見られ、また発生段階の脳においては、NUDEは分裂の盛んな細胞に、NUDELは神経細胞に強く発現しており、それぞれ、細胞分裂(NUDE)、神経細胞特異的な機能(NUDEL)を担っていることを示した。またこのうちNUDELは、PC12細胞において突起伸長に関与していること、初代培養神経細胞において軸索、成長円錐に発現していること、脳における発現は胎児から成体にかけて著しく増加することから、神経突起伸長あるいは軸索の維持にNUDELが重要な役割を果たし、神経回路形成に関与している可能性を明らかにした。 また、α1、α2のノックアウ卜マウスを作製し、解析を行った。α2-/-、α1-/-;α2-/-マウスでは野生型に比べ、LIS1の蛋白発現量が30〜40%に減少(mRNAレベルではむしろ発現増加)しているのが見られ、α(特にα2)はLIS1と結合することにより、細胞内LIS1量を規定している可能性を示した。また解剖学的解析を行ったところ、α1-/-;α2-/-マウスでは少なくとも脳の神経細胞の層状構造に大きな異常は見られなかったが、精子形成異常が起きることを明らかにし、LIS1カスケードが神経回路形成だけでなく、精子形成にも関与している可能性を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nothwang H.G. et al.: "Functional hemizygosity of PAFAH1B3 due to a PAFAH1B3-CLK2 fusion gene in a female with mental retardation, ataxia and atrophy of the brain"Hum. Mol. Genet.. 10. 797-780 (2001)
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[Publications] Kitagawa M. et al.: "Direct association of LIS 1, the lissencephaly gene product, with a mammalian homologue of a fungal nuclear distribution protein, rNUDE"FEBS Lett.. 479. 57-62 (2000)
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[Publications] Manya H. et al.: "Biochemical characterization of various catalytic complexes of the brain platelet-activating factor acetyihydrolase"J. Biol. Chem.. 274. 31827-31832 (1999)