2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12051232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 難治研, 教授 (80197756)
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Keywords | B細胞抗原受容体 / シグナル伝達 / Lynキナーゼ / SHP-1フォスファターゼ / CD72 / Ly49 / 負の制御 / 自己抗体産生 |
Research Abstract |
B細胞抗原受容体からのシグナルは種々の補助受容体からのシグナルによって正負の制御を受けている。本研究では特に負の制御の機構について解析を行った。B細胞共受容体CD22はSHP-1フォスファターゼを活性化することによりB細胞抗原受容体シグナルを負に制御することが示されている。しかし、SHP-1欠損マウスがB細胞の過剰活性化と自己抗体産生を伴う激しい自己免疫疾患を呈するのに比べ、CD22欠損マウスは軽いB細胞の活性化亢進を認めるのみである。我々はCD72分子がCD22同様にSHP-1の活性化に関与するITIMを持ち、実際にSHP-1と会合することを明らかにした。CD72を発現しないB細胞株K46にCD72ベクターを導入してCD72トランスフェクタントでは抗原受容体架橋によるERKの活性化とカルシウム流入が有意に低下しており、CD72がB細胞抗原受容体を介するシグナルを負に制御することが明らかとなった。B1細胞上にはCD5が発現されており、負の制御に関わっている。CD5にもITIMが存在し、SHP-1が会合する。さらに我々は、B1細胞上にLy49受容体の発現を見出し、Ly49からのシグナルがB1細胞活性化に負の制御を行っていること、SHP-1が会合することを見つけた。これらの結果から、B2細胞では、FcγRIIB,CD22,CD72,B1細胞ではCD22,CD72,CD5,Ly49などの負の制御を行う補助受容体が機能し、ともにSHP-1が会合することにより、脱リン酸化反応によりB細胞の過剰活性化や自己免疫の発症を制御していることが強く示唆された。さらに、重要なことは、いずれの場合もLynキナーゼの活性がSHP-1のリクルートメントに必須であることを明らかにしたことである。活性化したSHP-1がB細胞抗原受容体の成分Igα/IgβやSyk,、BLINK/SLP-65など抗原受容体またはその近傍の分子を脱リン酸化することを明らかにした。LynキナーゼおよびSHP-1がこれらの分子を標的とすることにより抗原受容体シグナルを負に制御することが強く示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] P.D.Burrouws,S.Suematsu and T.Watanabe: "Activation of self-reactive B cells and autoimmune diseases."Reviews in Immunogenetics. 2. 38-51 (2000)
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[Publications] T.Kobayshi,S.Tonai,Y.Ishihara,R.Koga,S.Okabe,and T..Watanabe: "Abnormal functional and morphological regulation of the gastric mucosa in histamine H2 receptor-deficient mice"J Clin.Invest.. 105. 1741-1749 (2000)
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[Publications] S.Yayoshi-Yamamoto,.I.Taniuchi and T.Watanabe: "FRL, a novel member of Formin-related proteins, that binds to Rac and regulates cell motility and survival of macrophages."Molecular Cellular Biology. 20. 6872-6881 (2000)
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[Publications] Adachi,T.,Wakabayashi,C.,Nakayama,T.,Tsubata T. et.al.: "CD72 negatively regulates signaling through the antigen receptor of B cells."J.Immunol. 164. 1223-1229 (2000)
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[Publications] Tsubata,T.,and Honjo,T.: "B cell tolerance and autoimmunity."Rev.Immunogenet.. 2. 18-25 (2000)
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[Publications] Yoshida,T.,Higuchi,T.,Hagiyama,H.,Tsubata,T. et.al.: "Rapid B cell apoptosis induced by antigen receptor ligation does not require Fas (CD95/APO-1), the adapter protein FADD/MORT1 or CrmA-sensitive caspases but is defective in both MRL-+/+ and MRL-lpr/lpr mice."Int.Immunol.. 12. 517-526 (2000)