2000 Fiscal Year Annual Research Report
多犯性植物病原菌類の侵入器官分化とその環境応答分子機構
Project/Area Number |
12052205
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
阿久津 克己 茨城大学, 農学部, 教授 (10151002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 雅己 茨城大学, 農学部, 助手 (70301075)
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Keywords | Botrytis cinerea / 侵入器官分化 / 多細胞型付着器 / イノシン / サイクリックAMP / 多犯性病原菌 / 膜タンパク質 / 分子スイッチ |
Research Abstract |
灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の侵入器官の一つである多細胞型の第二次付着器の形成機構を解明するために、その形態形成を誘導するイノシンおよびcyclicAMPの作用機構を解析することを試みた。イノシンは、病原性の異なる複数の菌株に対してin vitroおよびin vivo両条件下で付着器形成を誘導し、キュウリ葉への感染を促進した。CyclicAMPによる誘導効果はイノシンに比べて低いが、時間の経過とともに増大することが確認された。また、cyclicAMPは本菌菌体のcell free系でイノシンに代謝されることから、イノシンが付着器形態形成の誘導因子である可能性が示唆された。次に、生体分子間相互作用解析装置(IAsys)とSDS-PAGEの組合せによりイノシンに特異的に結合する菌体成分を検出した結果、細胞膜タンパク質分画中に複数存在することが見出された。そこで、cyclicAMPで前処理した菌体膜タンパク質分画からイノシンアフィニティーカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーによりイノシン結合タンパク質を精製・分取したところ、19kDの結合タンパク質が得られた。このタンパク質のN-末端アミノ酸配列を決定して相同検索した結果、今回得られたイノシン結合タンパク質は、生物のシグナル伝達系で分子スイッチとして機能するGTP-結合タンパク質と高い相同性が認められた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 喜多真幸 ら: "Botrytis fabaeからのクチナーゼおよびポリガラクツロナーゼ遺伝子の単離"日本植物病理学会報. 66・2. 124-125 (2000)
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[Publications] 中畝良二 ら: "カンキツ緑かび病菌Penicillium digitatumの薬剤耐性と病原性の関与するABCトランスポーター遺伝子PMR5"日本植物病理学会報. 66・2. 130 (2000)
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[Publications] Nakajima,M. et al.: "Functional Analysis of ATP-Binding Cassette Transporter Gene in Botrytis cinerea by The Gene Disruption"Proceedings of The First Asian Conference on Plant Patholog. 24 (2000)
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[Publications] 鈴木淳子: "灰色かび病菌Botrytis cinereaのABCトランスポーター遺伝子BMR1の機能解析"平成13年度日本植物病理学会大会講演予定.