2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12052222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 哲郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (00221151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雄一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60183125)
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Keywords | 植物RNAウイルス / RNAサイレンシング / サイレンシングプレッサー / RNA複製酵素 / 弱毒ウイルス / miRNA / アラビドプシス / Dicer |
Research Abstract |
研究代表者は、Red clover necrotic mosaic virus (RCNMV)の遺伝子発現制御に関わるウイルス因子とその機構を明らかにするとともに、RCNMVのRNAサイレンシング抑制機構がこれまで知られていない新たなものであることを明らかにした。すなわち、RCNMVによるRNAサイレンシング抑制には複製酵素タンパク質成分(p27とp88)と複製酵素成分と複合体を作れる可能性のあるウイルスRNAの存在が必要であることを示した。また、Dicer様タンパク質(DCL1)に変異を持つアラビドプシスでRCNMVが効率よく複製できないことから、RCNMVはDCL1を複製に必要な宿主因子として利用し、その結果RNAサイレンシングを抑制するというモデルを提唱した。このことはウイルスRNA複製とRNAi抑制のリンクを示唆し、RNA合成装置とRNAサイレンシング装置の分子ネットワークの解明に道を開くものと考える。 研究分担者は、タバコモザイクウイルスの感染が多くのmiRNAの蓄積を増大させることに着目し、弱毒ウイルスの作出と作用機構の解明研究の一環として、生物の発生分化制御に関わるmiRNAのbiogenesisをアラビドプシスのmiRNAの一つであるmiR163を用いて研究した。その結果、miR163の成熟過程は三段階から成り、第一段階と第二段階のRNA切断にはDCL1が重要な働きをすることを明らかにした。
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