2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12053209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白尾 智明 群馬大学, 医学部, 教授 (20171043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡一 群馬大学, 医学部, 助手 (20272247)
関野 祐子 群馬大学, 医学部, 講師 (70138866)
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Keywords | ドレブリン / シナプス / アクチン / 樹状突起スパイン / 神経細胞 / 発達 / 形態形成 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
我々はシナプス成熟の分子機構を解明するために、シナプス形成過程に起こるアクチン細胞骨格再編成の制御機構を解析している。中枢神経シナプスを構成するシナプス後部の大部分は樹状突起スパインである。樹状突起スパインは発生初期にはフィロポディアと呼ばれる単なる樹状突起からの突出である。発生が進むに従い、神経伝達物質受容体やPSD蛋白などのシナプス後部の機能蛋白が集積し、可塑性を有する成熟スパインとなる。我々はこのスパインの成熟に伴い、アクチン結合蛋白ドレブリンがスパインに集積すること、及びドレブリンの過剰集積によりスパインの形態に変化が起こることを既に報告した。本年は、スパインの成熟に伴うアクチン細胞骨格系の変化の解析をさらに押し進めた。まず、初代培養海馬神経細胞を用いて、ファッシンとドレブリンの細胞内局在を経時的に観察した。その結果、ドレブリンの集積時期と一致して、ファッシンがスパイン(フィロポディア)から消失する事がわかった。次に、アンチセンスSオリゴヌクレオチド法を用いて初代培養神経細胞でのドレブリンA発現をアイソフォーム特異的に抑制し、神経細胞に起きた変化をWestern Blot,Immunocytochemistryにより解析した。その結果、ドレブリンEは発現しているにもかかわらず、樹状突起スパインへの集積が阻害された。PSD蛋白などの他のスパイン機能分子には変化は検出できなかった。従って、ドレブリンのスパインへの集積にはドレブリンAの発現が重要であると考えられた。また、スパインの長さが短くなっていたことより、ドレブリンの集積がスパインの形態制御にとって重要であることが示唆された。現在、ドレブリンAの発現抑制がシナプス形成に及ぼす効果を神経活動依存性の面からも解析中である。また、CaMKIIプロモーターを用いてGFPのタグを付けたドレブリンAのトランスジェニックマウスを、作製中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 程希〓: "Non-muscle myosin IIB-like immunoreactivity is present at the drebrin-binding cytoskeletons in neurons"Neurosci.Res. 36. 167-173 (2000)
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[Publications] 田中聡一: "NT-3 inhibits cerebellar granule cell migration in vitro"Neuroscience. 97. 727-734 (2000)
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[Publications] 白尾智明: "clustering and anchoring mechanisms of molecular constituents of postsynaptic scaffolds in the spine"Neurosci.Res. (2001)