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2001 Fiscal Year Annual Research Report

逃避運動の生成と学習の神経機構

Research Project

Project/Area Number 12053246
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

小田 洋一  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (00144444)

Keywordsマウスナー細胞 / 逃避運動 / 分節構造 / 相同ニューロン / 網様体脊髄路ニューロン / 後脳 / キンギョ / ゼブラフィッシュ
Research Abstract

魚が外敵からすばやく逃げる逃避運動は,後脳(延髄)に左右一対存在する巨大なマウスナー(M)細胞によってトリガーされる.硬骨魚のM細胞は単発の活動電位を発生し魚の逃避運動と1:1に対応する.M細胞の活動は,3つの抑制性回路によって制御されている.反回性抑制(recurrent inhibition)回路は,M細胞の発火によってトリガーされ,M細胞自身を強く抑制する.同時に反対側のM細胞も相反性(reciprocal inhibition)回路によって,強く抑圧される.M細胞に興奮性シナプス入力を与える聴神経は,グリシン作動性の介在ニューロンを介して2シナプス性に両側のM細胞を抑制し,M細胞の発火の閾値を制御する.本年度は,無傷の生体内でこれらの抑制性局所回路がどのように働くかを,光学的に計測することを目的とした.
本研究では,体が透明なゼブラフィッシュの稚魚を用い,カルシウム蛍光指示薬(Calcium Green-1 Dextran)でラベルしたM細胞の活動電位に伴う細胞内カルシウム濃度上昇を共焦点レーザ顕微鏡で蛍光測定した.活動電位に伴う蛍光変化は約60%で,加算処理をせず最小2ミリ秒の時間分解能で観察できた.M細胞では抑制性シナプス入力によって活動電位が短絡(シャント)されることに着目し,短絡した活動電位に対応する蛍光変化からM細胞の3つの抑制性シナプス応答を可視化することに成功した.光学計測の結果は,パッチクランプ法によって得られた抑制性シナプス電流の解析で確かめられた.本研究成果は生体内で抑制性シナプス応答を可視化した初めての例であり,その内容をJ.Neuroscience誌に発表した.今後シナプス可塑性の計測に活用されることが期待される.

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Takahashi, M.: "In vivo imaging of functional inhibitory neworks on the mauthner cell of larval zebrafish"J.Neurosci.. (in press). (2002)

  • [Publications] 小田洋一: "逃避運動の制御と学習を担うマウスナー細胞。In:魚類のニューロサイエンス -魚類神経科学研究の最前線-pp.22-37"恒星社厚生閣. 310 (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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