2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12123205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
寺西 重郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (90293159)
加納 悟 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50114971)
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
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Keywords | アジアの経済発展 / 所得分配 / 世代間分配 / 人口構成 / 社会的セーフティネット |
Research Abstract |
今年度は、(アジアにおける経済発展と所得分配の問題を念頭に置きつつ)世代間分配の視点から,理論的実証的に分析することを目的としている。このためメンバーのうち数人がタイ国を訪問し、世代間の所得分配の状況を調査するとともに,97年の通貨危機時の状況や,それが所得分配に及ぼした影響のヒアリングを行った。また,別のメンバーはヨーロッパに出張し,研究成果の発表・意見交換を行った。それぞれのメンバーの国内での活動状況については,枚挙に遑がない。 確かに,経済発展の進展や人口構成の変化などによる社会システムの変化は、日本を含むアジアの多くの国において、伝統的な家族ないし血縁地縁を基盤とした社会的なセーフティネットを急激に破壊しつつある。また,急激な経済成長の結果生ずる環境破壊は、世代間の厚生に所得だけではあらわせない深刻な格差を生む懸念がある。本研究グループは,こうした問題意識を共有しており,その理論的・実証的裏付けに努力した。理論的研究成果の一部は既に公表されたものもあるが,多くのメンバーは,今年度は問題意識の意見交換と基礎固めの時期と位置付けており,それが全体会議開催の意義でもあった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kazumi Asako and Morio Kuninori: "On Vulnerability of International Cooperation to Slow Global Warming"経済研究. Vol.52・No.1. 52-60 (2001)
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[Publications] 加納悟,安居信之: "ダルエスサラームにおける生活水準と不平等の経年変化"経済研究. Vol.52・No.1. 61-71 (2001)
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[Publications] 寺西重郎: "昭和金融恐慌の経験に学ぶ"転換期の東アジアと日本企業. 61-77 (2000)
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[Publications] Juro Teranishi: "The Fall of the Taisho Economic System"Finance, Governance, and Competitiveness in Japan. 43-63 (2000)