2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12124205
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
石川 城太 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80240761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30173305)
木村 福成 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (90265918)
清野 一治 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (00183038)
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Keywords | 国際貿易 / 直接投資 / WTO / GATT |
Research Abstract |
1.中国企業に関する研究 WTO加盟後の中国を対象に、中国が国際競争力を有する紡績産業と国際競争力を有しない自動車部品産業という二つの産業に対して、独自の情報収集と分析を試みた。その結果、以下のようなことを暫定的な結果として得た。 (1)中国の紡績産業は2000年以降依然として速い成長を遂げているが、それ以上に自動車部品産業の発展が速かった。 (2)中国の比較優位を持つ紡績産業の総要素生産性は他の条件を考慮しなければ、緩やかな上昇しかなかったが、回帰分析に記されるように、他の条件を考慮すると、顕著な上昇を示している。 (3)中国の自動車部品産業では、総要素生産性上昇の大きな要因は規模の経済にある。 2.国際的通商政策規律の分析 各政策分野について国際的通商規律を検討し、WTO政策規律を経済学的に再検討することの必要性、及び構成的秩序として論理体系を強化することが不可欠であるとの結論に達した。 3.市場経済における政府介入の分析 官民役割分担、市場経済における政府介入の役割を再考した。政府と民間の戦略的相互依存関係を再考することで、原産地規制や排出基準規制、公益事業の確立・規制といった直接規制が、これまで考えられていた以上に資源配分上の歪みを引き起こすことがわかった。 4.貿易・産業・環境政策の研究 国際相互依存下における環境政策を再考し、それらの効果が閉鎖経済下における効果とかなり異なる可能性があることを指摘した。さらに、国際相互依存下における経済政策の他国へのスピルオーバーについて分析し、それが思わぬ副次的効果を生み出す可能性を指摘した。 5.地域経済統合の分析 FTAにおける原産地規則の役割について整理・検討し、最終財市場における原産地規則の効果について新たな視点から分析を行った。原産地規則が反競争的な効果を持ちうることや自国企業に不利な状況をもたらす可能性を指摘した。
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