乱流要素渦と組織構造の形成と発達

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12125203
• Research Institution: Osaka Prefecture University
• Principal Investigator: 西岡 通男 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60081444)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 柳瀬 眞一郎 岡山大学, 工学部, 教授 (20135958) ; 浅井 雅人 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (00117988) ; 村上 洋一 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90192773)
• Keywords: 乱流 / 流れの不安定性と遷移 / 乱流機構 / 乱流組織構造 / 壁乱流 / 乱流要素渦 / 乱流制御 / 超音速混合・燃焼促進

Research Abstract

各研究分担者の研究成果を交付申請書に記載した課題順にまとめる.
1 壁乱流の組織構造と要素渦の発生に関する実験的研究(浅井雅人担当)
スパン方向に周期的に並ぶ低速ストリークについて,ストリーク間隔が不安定モードの成長に及ぼす影響を調べ.ストリークの蛇行に導くsinuous不安定性においてストリーク間隔の2倍の波長をもつsubharmonicモードが卓越することを示した.次に,乱流境界層に局所吸い込みを行って一旦層流化した壁近傍に注目し,残留乱流変動による励起で低速ストリークが現れ,代数的増幅を経て,ストリーク不安定で崩壊する現象を捉えた.
2 壁乱流要素渦成長の非線形過程に関する数値実験(柳瀬眞一郎担当)
一様シアー下にある回転液体中(絶対渦度零状態)で,流れ方向に引き延ばされた渦管が発達する現象に焦点を合わせ,この構造を成長させる物理機構として,乱流場の揺らぎに起因する局所的なシアー・コリオリ不安定が生じる初期過程と構造を維持する働きをもつ一連の非線形過程を明らかにした.
3 乱流要素渦と組織渦の要素的操作に関する実験的研究(西岡通男担当)
縦渦による乱流遷移の実験では,周期的な流れが対数法則分布に導くことを示した.超音速混合促進制御の研究では,縦渦列間の干渉やそれによる縦渦列の乱流化について実験的に調べ,縦渦の誘起場による強い移流(対流)輸送が起き,対流速度が主流の20%に達することを示した.超音速混合促進にキャビティ振動を応用することを目指していて,実験と数値計算から振動機構を明らかにし,超音速画像流速計による計測にも挑戦した.
4 乱流要素渦と組織渦の要素的操作に関する実験的研究(村上洋一担当)
柔毛の抵抗体モデルに基づき柔毛が貼付された円柱周りの流れの数値シミュレーションを行い,柔毛の空力騒音低減効果に直結する流れ場(変動場)を明らかにした.

Research Products

• [Publications] 須浪徹治, 徳永英紀, 西岡通男: "超音速縦渦列間の干渉を用いた超音速混合の制御"日本流体力学会誌 ながれ. 20・4. 316-324 (2001)
• [Publications] 高井知奈, 山崎 直, 浅井雅人: "翼端渦と平面壁の干渉に関する実験的研究"日本流体力学会誌 ながれ. 20・6. 501-504 (2001)
• [Publications] M.Nishioka, T.Asai, S.Sakaue, K.Shirai: "On the mechanism of supersonic cavity flow oscillations"Experimental Heat Transfer,Fluid Mechanics,and Thermodynamics. 153-163 (2001)
• [Publications] M.Nishioka: "A numerical study of supersonic cavity flow oscillations"Abstracts of Japan Russia Int.Workshop on Turbulence,Instabilities and Parallel Computing. (2001)
• [Publications] M.Asai, Y.Konishi: "Experimental Study on the Streak Instability"Abstracts of Japan Russia Int.Workshop on Turbulence,Instabilities and Parallel Computing. (2001)
• [Publications] Y.Murakami, M.Chikano: "Two-dimensional direct numerical simulation of parametrically excited surface waves in viscous fluid"Physics of Fluids. 13・1. 65-74 (2001)
• [Publications] S.Yanase, M.Mizuguchi, J.J.Riley: "Rotating magnetohydrodynamic free-shear flows.1.Linear stability analysis"Physics of Fluids. 13・7. 1946-1955 (2001)
• [Publications] S.Yanase, G.Kawahara, H.Kiyama: "Three-dimensional vortical structures in the backward facing step flow"J.Phys.Soc.Jpn.. 70・12. 3550-3555 (2001)
• [Publications] M.Asia, M.Minagawa, M.Nishioka: "Instability and Breakdown of a Near-Wall Low-Speed Streak"Journal of Fluid Mechanics. 455. 289-314 (2002)
• [Publications] 山崎 直, 浅井雅人, 高井知奈: "翼端渦と境界壁の干渉に関する実験的研究"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 71-72 (2001)
• [Publications] 浅井雅人, 嵯峨信一, 小西康郁: "低速ストリークの不安定特性に対するストリーク形状の影響"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 149-150 (2001)
• [Publications] 坂上昇史, 西岡通男: "超音速境界層の前縁入射振動マッハ波に対する受容性"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 159-160 (2001)
• [Publications] 西岡通男, 明石田貴宏, 坂上昇史, 鴫原孝佳: "柔毛壁境界層におけるTS波動"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 161-162 (2001)
• [Publications] 村上洋一, 飯田和雄: "アモルフォス状対流の特徴づけについて"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 195-196 (2001)
• [Publications] 村上洋一: "液膜のレイリー・テイラー不安定性の潤滑近似による数値的研究"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 353-354 (2001)
• [Publications] 今井健, 浅井雅人, 島田高宏: "渦励起による乱流境界層の剥離制御に関する実験的研究"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 453-454 (2001)
• [Publications] 村上洋一, 西岡通男: "柔毛円柱まわりの流れの数値的研究"日本流体力学会誌「ながれ」. 20別冊. 459-460 (2001)
• [Publications] 坂上昇史, 西岡通男: "超音速境界層前縁近傍におけるTS波動の受容過程"第38回日本航空宇宙学会 関西・中部支部合同秋期大会講演集. 9-12-9-12 (2001)
• [Publications] 田部井康一, 浅井雅人: "乱流変動によるストリーク不安定の励起に関する実験的研究"第33回流体力学講演会講演集. 309-312 (2001)
• [Publications] 小西康郁, 浅井雅人: "ストリーク不安定に関する実験的研究:単一ストリークとストリーク列の増幅モードの比較"第33回流体力学講演会講演集. 313-316 (2001)
• [Publications] 村上洋一, 福田浩昭: "閉領域内の渦の安定性"第50回理論応用力学連合会講演論文集. 189-190 (2001)