2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12125204
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
木田 重雄 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (70093234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 定義 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10217458)
宮嵜 武 電気通信大学, 大学院・電気通信学研究科, 教授 (50142097)
三浦 英昭 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (40280599)
後藤 晋 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (40321616)
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Keywords | 乱流 / 要素渦 / 渦の自動追跡 / スパイラル渦層 / ダイナモ / 流体線 / Lamb-Oseen渦 / チャネル乱流 |
Research Abstract |
乱流要素渦の構造とその乱流力学におけるはたらきについて,一様乱流とチャネル乱流およびMHD乱流を解析対象として調べてきた。 [1]要素渦は管状の集中渦のまわりに渦層がらせん的に巻きついてできていることを異なるレイノルズ数の乱流において確認するとともに,個々の渦の物理特性(断面径,循環,等)や空間分布のレイノルズ数依存性を定量的に求め,高レイノルズ数の極限においても要素渦は力学的重要性を保つことを示唆する結果を得た。 [2]渦の生成,成長,消滅の過程を解析する手段として渦の自動追跡法を開発し,渦構造の反平行接近等興味ある現象を観察した。 [3]MHD乱流では渦と磁場の共生的相互作用によるダイナモ現象の新しいメカニズムを発見した。 [4]物質輸送や混合のメカニズムを理解するために,渦による流体要素の変形や伸張を調べ,流体線の長さと流体面の面積の指数関数的増大の係数を正確に求めた。 [5]軸流を伴う集中渦のダイナミックスを一様等方乱流中の秩序渦(Lamb-Oseen渦,q-vortex,Batchelor渦)の直接数値計算と可視化およびWKB法による解析によって調べた。渦の表面に微細渦が巻き付き,秩序渦内部で軸対称・屈曲渦波が発生し,やがて非線形相互作用により崩壊するという一連の過程を捉えた。微細渦構造の形成によってエネルギー散逸が促進され,秩序渦が効果的に崩壊することが分かった。 [6]チャネル乱流において,壁近傍で起きる乱流生成と乱流維持機構を基礎方程式の解として表現される秩序構造とその位相空間での振舞いから理解できることを明らかにした。壁近傍に局在した周期解は,位相空間では2つのサドルを結ぶヘテロクリニック軌道の近傍に存在し,それぞれのサドルの近傍を通過する場合に乱れが生成される。さらに,上記周期解と発達した乱流を結ぶカオス的な非定常解を見出した。
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