2000 Fiscal Year Annual Research Report
沈み込むプレートと核の相互作用と核-マントル境界の物質科学
Project/Area Number |
12126201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 友明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40312540)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (20126189)
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Keywords | 核マントル境界 / ダイヤモンドアンビル / 放射光 / 下部マントル / SiO_2 / (Mg,Fe)O / 稜面体構造 |
Research Abstract |
核マントル境界の実体の物質科学的解明を目的として、主としてダイヤモンドアンビルを用いてメガバール領域での高温高圧力実験設備の整備を行った。対象となる実験条件では、常温常圧に回収不可能な相が出現する可能性が高いため、その場観察法が重要となる。そこで、本年度要求物品の一つである強力X線発生装置とイメージングプレートを用いた高圧X線その場観察装置を設置した。これに伴い、専用のレバー式ダイヤモンドアンビルセルとベベル付きダイヤモンドアンビル(キュレット径150μm〜250μm)、及び高倍率測定顕微鏡を導入した。また、既存のマルチモードで駆動しているNd:YAGレーザーにアパーチャーを設置することにより、レーザー光の高次モードをカットして、メガバール領域での試料室の極小化に伴う最適な光学系を調整中である。一方、放射光実験施設(KEK,PF)のBL-13Aに設置されているレーザー加熱高圧X線回折装置、およびSPring-8を用いてメガバール領域での予備的なその場観実験を開始している。現在までに、50-80GPa約2000℃までの高温高圧力下でSiO2のポストステショバイト相であるCaCl2構造相の良質な回折パターンの取得に成功しており、下部マントル内で、SiO2がCaCl2構造相として存在している可能性が高いことを示している。また、(Mg,Fe)Oに関して、その場観察法を用い、(Mg0.1,Fe0.9)Oから(Mg0.6,Fe0.4)Oの組成範囲について外熱法による実験を行った。およそ600℃までの安定相として最もFeO単成分に近い(Mg0.1,Fe0.9)Oについても稜面体構造相が80-120GPaの範囲で観察されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Ohtani et al.: "Stability of dense hydrous rnagnesium silicate phases and water storage capacity in the transition zone and lower mantle"Physics of the Earth and Planetary Interior. (In press). (2001)
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[Publications] T.Kondo et al.: "Phase transitions of MnO to 137GPa"Journal of Applied Physics. 87. 4153-4159 (2000)
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[Publications] H.Hirai et al.: "Methane hydrate behavior under high pressure"Journal of Phys.Chem.B. 104. 1429-1433 (2000)