2002 Fiscal Year Annual Research Report
液晶場における分子不斉認識・層間フラストレイションによる相構造形成
Project/Area Number |
12129203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹添 秀男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10108194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 陽一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80251619)
三上 幸一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10157448)
石川 謙 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10176159)
吉沢 篤 弘前大学, 理工学部, 教授 (30322928)
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Keywords | バナナ型液晶 / ジキラル化合物 / 非線形光学効果 / SHG / らせんピッチ / ポッケルス効果 / エレクトロジャイレーション効果 / キラルキュービック相 |
Research Abstract |
特殊な形状故に形成される新しい液晶相であるバナナ型液晶と分子不斉認識によると思われる新しい相を形成するジキラル化合物に大きな進展があった。 (1)バナナ型液晶(1):コレステリック液晶にアキラルバナナ型分子を添加することによってコレステリック液晶のピッチが短くなる現象を見いだした。通常、キラルな系にアキラル分子を導入するとツイスティングパワーは減少する(ピッチは長くなる)が、得られた結果は全く逆の傾向を示す。この現象を、アキラルバナナ型分子がキラルな環境におかれることにより、一つの構造不斉が選択され、それが、系のキラリティを増加させるものと解釈した。 (2)バナナ型液晶(2):強誘電相を示すバナナ型液晶のSHG測定を行い、非線形感受率を決定した。これにより、バナナ型液晶がこれまで液晶で知られているもっとも大きな非線形感受率を示すこと、対角成分に比較して非対角成分が大きいことが分かった。また、分子が非常に高い配向性を持っていることと仮定して求めた超分子分極率成分はハイパーレーリー散乱によって求めた超分子分極率と良い一致を示した。 (3)バナナ型液晶(3):バナナ型液晶のB4相においてポッケルス効果の測定を行った。解析により、この試料におけるポッケルス効果は通常の電場誘起複屈折変化ではなく、エレクトロジャイレーション効果、すなわち、電場誘起旋光度変化であることを明らかにした。また、ポッケルス定数はニオブ酸リチウムに匹敵するものであった。 (4)ジキラル化合物:X線回折、円偏光二色性、熱測定などから、2つの3次元秩序を持つ相の存在を確認した。高温側の3次元相はスメクチックブルー相で2例目であること、また、低温側の3次元相ははじめてのキラルキュービック相であることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Ema, H.Yao, Y.Takanishi, H.Takezoe, T.Kusumoto, et al.: "Anomalous behaviour of the Heat Capacity in a Liquid Crystal Showing a Re-entrant Isotropic Phase"Liq.Cryst.. 29/2. 221-225 (2002)
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[Publications] Y.Takanishi, T.Ogasawara, A.Yoshizawa, J.Umezawa et al.: "Structures in Optically Isotropic and Bluish Colored Cubic Phases Formed by Enantiomeric Association in an (R, S) Dichiral Compound and a Stereoisomeric..."J.Mater.Chem.. 12. 1325-1330 (2002)
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[Publications] J.Thisayukta, H.Niwano, H.Takezoe, J.Watanabe: "Enhancement of Twisting Power in the Chiral Nematic Phase by Introducing Achiral Banana-Shaped Molecules"J.Am.Chem.Soc.. 124/13. 3354-3358 (2002)
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[Publications] F.Araoka, J.Thisayukta, K.Ishikawa, J.Watanabe, H.Takezoe: "Polar Structure in a Ferroelectric Bent-Core Mesogen as Studied by Second-Harmonic Generation"Phys.Rev. E. 66. 021705-1-021705-5 (2002)
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[Publications] B.Mettout, P.Toledano, H.Takezoe, J.Watanabe: "Theory of Polar Biaxial Nematic Phases"Phys.Rev. E. 66. 031701-1-031701-5 (2002)
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[Publications] F.Araoka, Y.Takanishi, H.Takezoe, A.Kim, B.Park, J.W.Wu: "Electrogyration Effect in a Chiral Bent-Core Molecular System"J.Opt.Soc.Am. B. 20/2. 314-320 (2003)