2002 Fiscal Year Annual Research Report
回折および分光手法による酸化物表面での局在量子構造解析
Project/Area Number |
12130201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 一雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80311554)
篠田 弘造 東北大学, 工学研究科, 助手 (10311549)
佐藤 修彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (70154078)
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Keywords | 局在量子構造 / 元素選択性 / XANES / X線異常散乱 / チタン酸化物 / 部分硫化 / 蛍光X線ホログラム / 光触媒物質 |
Research Abstract |
(1)酸化チタンの部分硫化を利用した局在量子構造制御による高効率光触媒薄膜材料の設計・開発 チタン酸化物薄膜の作製と、部分硫化反応を同時に行えるレーザーアブレーション用真空チャンバーを新規に製作した。全反射X線回折による表面原子構造解析、原子間力顕微鏡による表面形状観察、光照射量と水素発生量の定量による光触媒能評価、吸光スペクトル分析による光吸収端解析を、部分硫化酸化薄膜について系統的行い、部分硫化によって光触媒能が大幅に改善することを見出した。その原因は、酸化チタン薄膜では吸収端の可視光側へのシフト、酸化亜鉛薄膜では還元されたプロトンが結合し水素ガスとなる活性点が硫化により導入されたためであると予想した。また、薄膜の製作条件と薄膜の成長形態について調べ、製作条件制御による薄膜のナノスケールの構造形態実現の目途がたった。 (2)蛍光X線ホログラフィー(XFH)法による局所格子ひずみ評価と諸物性の研究 実験室でもXFH測定を行えるように開発した装置を用いて、数10nm厚さの薄膜からのホログラム測定に成功し、薄膜の面内、面直方向を同時に解析できる薄膜の3次元構造可視化に成功した。また、異常散乱現象の利用により、蛍光X線ホログラム技術によって得られる構造の位置の精密化及び周辺元素識別が可能であることを、シミュレーションの結果明らかにした。 (3)アルミナ焼結体の高温での耐クリープ特性改善のためにドープされた希土類元素の粒界近傍での環境構造をXAFSによって初めて定量し、粒界での局所構造評価を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Sato, M.Arata, T.Fujino: "Formation of UO_2 Thin Film by Laser Ablation and Its Electrical Properties"J. Nuclear Science and Technology. Supp.3. 660-663 (2002)
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[Publications] H.Takahashi, E.Matsubara, et al.: "Fullerene and Sulfur Compounds"Materials Transactions. 43・7. 1530-1532 (2002)
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[Publications] T.Sato, H.Takahashi, E.Matsubara, A.Muramatsu: "Local Atomic Structure and Catalytic Activities in Electrodeposited Mo-Ni Alloys"Materials Transactions. 43・7. 1525-1529 (2002)
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[Publications] N.Sato et al.: "Preparation of a TiO_2 Film Coated Si Device for Photo-Decomposition of Water by CVD Method Using Ti(OPri)_4"Materials Transactions. 43・7. 1533-1536 (2002)
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[Publications] K.Hayashi, Y.Takahashi, E.Matsubara: "Refinement of X-ray fluorescence holography for determination of local atomic environment"Materials Transactions. 43・7. 1464-1468 (2002)
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[Publications] K.Hayashi, Y.Takahashi, E.Matsubara, et al.: "X-ray fluorescence hologram data collection with a cooled avalanche photodiode"Physics Research B. 196. 180-185 (2002)