2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12131209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
伊藤 昌文 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (10232472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 勝 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80242824)
椎名 達雄 和歌山大学, システム工学部, 助手 (80304187)
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Keywords | 近接場光学 / リングラフィ / プラズマエッチング / 超解像近接場構造 / 高速描画 / ナノマシニング |
Research Abstract |
平成12年度は、まず線速度として最高1m/sで描画できる紫外落射システムを導入してレーザ描画装置の高速化をはかり、精密制御を必要としない近接場光による描画装置の光学系部分の構築を行なった。また、電子エネルギー制御型のプラズマ源を用いてシリコン酸化膜のエッチングを行なえるよう装置の改造を行ない主用設備の準備を整えた。 平成13年度は、特に精密制御を必要としない近接場光による描画装置の核となる手法として、超解像近接場構造を用いた近接場光描画法に関する研究を推進した。超解像近接場構造は光メモリの高密度化に対応するため開発された新しい技術で、サーモクロミック層と下部のフォトレジストの間に数lnm厚の保護層を作り、その厚さをサブナノメートルで制御した膜を作製しておくことで描画時の超精密な距離制御が不必要となる。光記憶の用途では本手法で一番重要となる超解像近接場構造内のサーモクロミック層にアンチモンを用いてきた。しかしながら、アンチモンは相転移温度が500℃程度であるため、描画時に感光材料となるフォトレジストに熱ダメージを及ぼすという問題がある。 そこで、本研究ではそのサーモクロミック層として、相転移温度がアンチモンよりさらに低く、プロセスの安全性も考慮して亜鉛とインジウムを選定し、その可能性を評価した。実験結果としては、特にインジウムをサーモクロミック材料として用いてHe-Cdレーザの強度が0.4mW/μm^2のとき透過率が10%程度から25%程度に透過率が増加し、1.0mW/μm^2になると透過率は40%以上まで変化し、変化する速度もパワーにより速くなっていることが分かった。これらの新しい知見により、特にInが近接場露光用の新しい超解像近接場構造材料として非常に有用であることが判明した。 また、2つ目の目的である電子エネルギー制御型プラズマに関してもプラズマの制御性を確認するためガスの解離過程がよく調べられている窒素を用いてその特性を我々が以前開発したマイクロホロカソード分光法により窒素原子密度を定量的に評価した。この結果、10^<-2>Pa台の非常に低い圧力領域でも高効率に解離し、原子状解離が困難とされる窒素プラズマ中で5%近い窒素原子密度を実現可能であることが判明した。これにより、次世代の極微細エッチング時に要求される現状のプラズマプロセスよりさらに低い圧力でプラズマを制御できる制御性の良いプラズマであることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Tada, S.Takashima, M.Ito et al.: "Measurement and control of absolute nitrogen atom density in an electron-beam-excited-plasma using vacuum ultraviolet absorption spectroscopy"J. Appl. Phys.. 88.4. 1756-1759 (2000)
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[Publications] S.Tada, S.Takashima, M.Hori, M.Ito et al.: "Nitrogen atoms in a compact electron beam exited plasma"Proceedings of XV th Europhysics Conference on Atomic and Molecular Physics of Ionized Gases. 390-391 (2000)
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[Publications] M.Nakamura, M.Hori, T.Goto, M.Ito et al.: "Spatial distributions of the absolute CF and CF_2 radical density in high-density plasma employing low global warming potential fluorocarbon gases and precursors for film formation"J. Vac. Sic. Technol.. A19.5. 2134-2141 (2001)
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[Publications] M.Ito, K.Kamiya, M.Hori, T.Goto: "Subsurface reactions of silicon nitride in a highly selective etching process of silicon oxide over silicon nitride"J. Appl. Phys.. 91.5. 3452-3458 (2002)
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[Publications] 小堀 幸伸, 椎名 達雄, 伊藤 昌文, 岡村 康行: "近接場光描画のためのサーモクロミック材料の検討"2001年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 223-223 (2001)
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[Publications] 飯田 清二郎, 椎名 達雄, 伊藤 昌文, 岡村 康行: "ホッピングモードを用いた走査型近接場顕微鏡の作製"2001年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 219-219 (2001)