2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12135203
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 恵彦 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60251039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 正洋 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80282333)
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Keywords | 触媒反応 / 固体表面 / 電子状態 / 電気陰性度 / 解離吸着 / 超音速分子線 / STM / 活性化障壁 |
Research Abstract |
固体表面における化学反応(触媒反応)は固体表面と反応ガスとの間に電子の授受が関与するため、表面の電子状態に強く支配されることが予想される。本研究ではPt(111)表面を電気陰性度の小さいCs原子や逆に電気陰性度の大きいO原子にて電子状態的に表面修飾した場合のCH_4分子の解離吸着反応に与える影響について超音速分子線技術と走査型トンネル顕微鏡(STM)技術を用いて解析を行った。Cs原子を種々の被覆率にて吸着させると、表面垂直エネルギー成分250meVを有する高エネルギーCH_4超音速分子線においても解離吸着反応が被覆率に応じて大幅に抑制されることが明らかになった。(僅か10%のPt(111)表面がCsによって被覆されると解離吸着は完全に停止した。)しかしながら、表面垂直エネルギー成分を500meVに加速すると再び反応が進展することも明らかになった。これは、Cs吸着によってCH_4分子の解離吸着のための活性化障壁が増加したことを意味している。この理由は以下のように解釈される。Cs吸着による表面の仕事関数の低下により、固体表面付近の電子雲が、より一層真空に向かって沁み出していることに起因し、CH_4と表面との斥力ポテンシャルが増大した結果、活性化障壁が持ち上がることになる。STMによる原子レベルでの仕事関数を計測すると、Cs吸着の影響は非局所的であり、遠距離にまで及ぶことが分かった。これが、低い被覆率でもCH_4分子の解離吸着が停止した理由である。一方、Oにて25%被覆されたPt(111)表面ではCH_4分子の解離が一桁以上向上することが分かった。この反応は酸化反応でありCH_4分子は解離と同時にCOとH_2に分解することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kondo, T.Sasaki, S.Yamamoto: "Dissociative chemisorption of CH4 on a cesiated Pt(111) surface Studied by supersonic molecular beam techniques"Journal of Chemical Physics. 116. 7673-7683 (2002)
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[Publications] Y.Yamada, A.Synsarp, M.Sasaki, S.Yamamoto: "STM observation of super-structures and work functions of a Cs mono-atomic layer on a Pt(111) surface"Japanese Journal of Applied Physics. 41. 5003-5007 (2002)
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[Publications] Y.Yamada, A.Synsarp, M.Sasaki, S.Yamamoto: "Local Tunneling barrier height studies of the initial stage of Cs adsorption process on a Si(111) 7x7 surface"Japanese Journal of Applied Physics. 41. 5386-5389 (2002)
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[Publications] T.Higuchi, S.Yamamoto, H.Kudo, H.Murata: "Modeling of life deterioration by ion bombardment of a dispenser cathode coated with an Ir/W film"Applied Surface Science. 200. 125-137 (2002)
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[Publications] Y.Yamada, M.Sasaki, S.Yamamoto: "The origin of the Moire-like contrast in the local tunneling barrier height images of monolayer graphite adsorbed on Pt(111)"Japanese Journal of Applied Physics. 41. 7501-7505 (2002)
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[Publications] T.Kondo, T.Sasaki, S.Yamamoto: "Molecular beam study of CH4 oxidation on a Pt(111)-(2x2)-O surface"Journal of Chemical Physics. 118. 760-767 (2003)