2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子変異動物を用いたナトリウム利尿ペプチド系の虚血再灌流傷害における意義の解明
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12136203
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 能彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30250260)
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Keywords | BNP / 心不全 / NRSF / 拡張型心筋症 / HCN2 / HCN4 / CACNA1H |
Research Abstract |
心不全は先進国における最も重要な医療問題の一つである。心不全の成因は近年の分子生物学の進歩により理解が深まったが、まだ不明確な点は多い。 心不全では、心臓特異的胎児型遺伝子の再発現現象が観察されるが、中でもANP・BNP遺伝子の再発現現象は最も再現性高く観察される現象である。しかしながら、ANP・BNP遺伝子の再発現現象の分子機構は解明されておらず、機序を解明することにより、心不全の成因の基盤に共通に存在する分子機構に迫れるのではないかと仮定した。 BNP遺伝子の転写調節機序を検討した結果、BNP遺伝子転写調節領域に存在するNRSE配列が再発現に関与していることをin vitroの系で確認した。NRSE配列には強力なサプレッサーであるNRSFが結合することが知られている。BNP遺伝子は、定常状態ではNRSE/NRSF系によって強く転写抑制されているが、一旦肥大刺激が加わるとこのNRSE/NRSF系による転写抑制が回避され、その制御下にあるBNP遺伝子の転写が亢進することを見いだした。また、NRSE配列はBNPのみならず、その他の胎児性遺伝子にも存在していることがコンピュータ検索で明らかになった。 dnNRSFを心筋細胞に特異的に過剰発現させたマウスを作成し、in vivoでのNRSE/NRSF系の意義を更に検討すると、このマウスは正常に出生するが、このマウスの左室は肥大相を経ずに拡張し始め生後20週までに拡張と収縮障害を来した。NRSE/NRSF系で制御される標的遺伝子を同定する目的で6週齢のこの変異マウスのcDNAアレイを行った結果、ANP, BNPの他、HCN2,HCN4やTタイプCaチャンネルであるCACNA1HがNRSFで転写制御されていることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kuwahara et al.: "NRSF regulates fetal cardiac gene program and maintains normal cardiac structure and funcution"EMBO.J. 22(23). 6310-6321 (2003)
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[Publications] Y.Li et al.: "Androgen contributes to gender-related cardiac hypertrophy and fibrosis in mice lacking the gene encoding guanylyl cyclase-A"Endocrinology. 142(2). 951-958 (2003)
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[Publications] Y.Adachi et al.: "Angiotensin II type 2 reseptor deficiency exacerbates heart failure and reduces Servival following acute myocardial infarction in mice"Circulation. 107. 2406-2408 (2003)