2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋の分化、成長過程における細胞内カルシウム調節機構とその異常
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12136206
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
須田 憲男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80201581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 哲生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30233224)
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Keywords | 再生医学 / シグナル伝達 / 発生・分化 / 循環器・高血圧 / 生理学 / 心筋 / 心不全 / カルシウム |
Research Abstract |
1)心筋の分化、成長過程におけるCa^<2+>の調節機構の解析:心筋細胞へ分化可能なP19CL6細胞株を小室班より入手し、共同でプロジェクトを遂行中である。分化誘導剤のDMSO処理による分化効率は血清の性質に左右されるため、製造元およびロット番号の違いによる分化効率の検討を行い、高効率で心筋へ分化誘導する条件を確立した。現在は、DMSOと類似の生理活性を持つ薬物により心筋細胞に分化するかどうか検討中である。また、細胞の収縮を半定量的に計測することにも成功した。今後は細胞内Ca^<2+>動態および各種イオンチャネル発現の経時変化について解析する計画である。 2)Ca^<2+>増幅効率の解析:ウサギの単一心筋細胞を使って筋小胞体(SR)内Ca^<2+>濃度の直接測定を開始した。Ca^<2+>親和性の低い蛍光色素を膜透過型のアセトキシメチルエステル誘導体としてSR内に導入することで、SR内Ca^<2+>濃度変化に基づく蛍光強度変化の検出に成功した。細胞質Ca^<2+>濃度は増加時でもSR内Ca^<2+>濃度の100分の1以下と低いため細胞質中の蛍光色素にはCa^<2+>が結合しにくく、従って、細胞質Ca^<2+>濃度変化に基づく蛍光強度変化は無視できることがわかった。今後はSR内Ca^<2+>濃度と細胞質Ca^<2+>濃度、さらに収縮を同時計測し、不全心筋における細胞質Ca^<2+>濃度の増減の原因を明らかにする計画である。 3)遺伝子改変マウス心筋の機能解析:マウス単一心筋細胞を高収率でしかも機能的によく保持された状態で単離する方法を確立した。また、全心臓を使って心室筋の収縮張力を測定できるシステムを確立した。現在、小室班(千葉大医学部)ど共同で、PDK1ノックアウトマウス不全心筋の収縮特性を全心臓および単離心筋細胞の両者を使って検討中である。PDK1 KOマウスではある受容体の発現が著明に低下していることが示唆された。
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[Publications] Suda N: "A molecular mechanism underlying swift relaxation of tetanized muscles"Jpn J Physiol. 53. S194 (2003)
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[Publications] Suda N, Matsuba D: "Contractile properties of young mouse cardiac myocytes"Jpn J Physiol. (in press). (2004)
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[Publications] 千葉 允文, 竹森 重, 大野 哲生, 山口 眞紀: "筋原線維近傍の水には、遠達する束縛力が及んでいる"生物物理. 43. S130 (2003)