2004 Fiscal Year Annual Research Report
老化関連骨軟骨疾患におけるklotho遺伝子の関与
Project/Area Number |
12137201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(客員助教授) (30344451)
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Keywords | 老化 / klotho / 副甲状腺ホルモン(PTH) / インスリン受容体基質(IRS) / PPAR-gamma / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、老化による骨粗鬆化の分子メカニズムを解明することであり、老化抑制全身因子であるklotho、細胞内分子であるPPAR-gamma、局所因子であるインスリン受容体基質(IRS)-1およびIRS-2について、ノックアウトマウス(KO)を用いたreverse genetics、および臨床患者のゲノム解析を用いたforward geneticsの手法を用いて検討することである。 本年度はまず、ヒトPPAR-gamma,IRS-1,IRS-2各遺伝子におけるSNPsのスクリーニングを行い骨密度との相関解析を行ったが、現在のところ有意な相関は認められていない。今後は年齢別の層別化検討を予定している。 また、老化による骨粗鬆症に対する骨形成能を持つ治療薬として注目されているPTHの骨同化シグナルの検討を行った。まず、野生型(WT)マウス頭蓋骨由来の培養骨芽細胞をPTHで刺激したところ、IGF-I mRNAレベルおよびALP活性が上昇することを確認した。そこでIRS-1KOおよびIRS-2KOマウスに対してPTH皮下注射を行い、その効果をWTマウスと比較した。その結果、WTおよびIRS-2KOにおいてPTH投与群では非投与群に比べて大腿骨、脛骨、脊椎(L2-L5)の骨密度が上昇したのに対し、IRS-1KOではPTHの同化効果は見られなかった。以上より、PTHの骨同化作用は、局所で誘導されたIGF-Iがautocrine/paracrineに骨芽細胞に作用して、IRS-2ではなくIRS-1シグナルが活性化されることによるものであることが示された。この結果はEndocrinology誌にて掲載受諾されている。今後は、IRS-1の下流シグナル分子の関与を検討することでPTHの骨同化作用の分子メカニズムが解明されると考えられる。
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Research Products
(6 results)