2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12137204
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小守 壽文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00252677)
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Keywords | Cbfa1 / Runx2 / Runx3 / 軟骨細胞 / Ihh / ランクスファミリー / 骨格形成 / 転写因子 |
Research Abstract |
大部分の骨は、内軟骨生骨化によって形成される。すなわち、軟骨細胞は成熟後、骨に置換される。転写因子Cbfa1/Runx2のノックアウトマウスは、軟骨で骨格は形成されるが、骨形成を全く見ない。これは、骨芽細胞の分化が起こらないことから生じるが、その軟骨細胞の成熟も阻害されている。実際、Runx2およびドミナントネガティブ型Runx2の軟骨細胞特異的トランスジェニックマウスでは、軟骨細胞の分化促進および抑制がそれぞれ見られた。したがって、Runx2は、軟骨細胞の成熟にも重要な因子である。しかし、Runx2のノックアウトマウスの一部の骨格では軟骨細胞の成熟が見られ、Runx2以外の因子も軟骨細胞の成熟に関与していると考えられる。そこで、同じランクスファミリーに属し、軟骨細胞に発現しているCbfa3/Runx3のヘテロ変異マウスとRunx2ヘテロ変異マウスを交配し、最終的にRunx2とRunx3のダブルノックアウトマウスを作製した。このダブルノックアウトマウスでは、全身の骨格で、軟骨細胞の成熟が完全に抑制されていた。したがって、Runx2とRunx3が、軟骨細胞の成熟に必須な因子であることが明らかとなった。さらにRunx2とRunx3の遺伝子量の減少に比例して、四肢の著明な短縮が認められた。そして、軟骨細胞の増殖に重要なインディアンヘッジホグ(Ihh)の発現が消失していた。Runx2ノックアウトマウスでは、軟骨細胞の増殖が低下しており、Runx2は、Ihhのプローモーターに直接結合し、その転写を促進していた。一方、Runx3は間接的にIhhの発現を誘導していると考えられた。したがって、Runx2とRunx3は、Ihhの発現調節を介して、軟骨細胞の増殖も調節していることが明らかとなった。
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Research Products
(19 results)