2002 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞を調節するシグナル伝達系と骨・歯周疾患における骨破壊機序の解明
Project/Area Number |
12137209
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
高橋 直之 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90119222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 行博 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20097512)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
小林 泰浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教授 (20264252)
小澤 英浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (60018413)
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Keywords | 破骨細胞 / マクロファージ / ビスフォスフォネート / リポ多糖 / 骨形成 / 骨吸収 / RANKL / p38MAPK |
Research Abstract |
破骨細胞前駆細胞並びに純化した破骨細胞を用いて、破骨細胞の分化と機能を調節するシグナル伝達系を解析した。また骨吸収抑制薬であるビスフォスホネート(BP)の作用機序を解析した。更に、OPG欠損マウスを用いて骨吸収と骨形成の連関を解析し、以下のような結果を得た。 (1)破骨細胞の分化と機能を調節するシグナル伝達系の解析し、(1)LPSとIL-1はPI3KとAKtを活性化し、破骨細胞の機能を誘導すること、(2)破骨細胞前駆細胞である骨髄細胞マクロファージ(MΦ)は、LPSに反応して炎症性サイトカインを産生したが、破骨細胞は産生しないことが明らかにされた。 (2)p38MAPK阻害剤SB208530(SB)を用いた解析し、破骨細胞への分化にp38MAPKシグナル系がとりわけ重要であることが示された。 (3)LPSとIL-1による破骨細胞形成促進機構を解析し、(1)LPS/IL-1は直接骨芽細胞に作用し、Ca/PKC-MEK/ERK経路の活性化を介してRANKL発現を誘導すること、(2)PGE_2産生誘導を介して間接的にOPGの発現を抑制することが明らかとなった。 (4)破骨細胞によるBPの取り込み機構を解析し、BPの取り込みと破骨細胞による酸分泌の相関性が明らかにされた。BPは酸を分泌する破骨細胞に特異的に取り込まれ、細胞骨格を破壊することが示された。 (5)OPG欠損マウスにBPを投与し、骨吸収と骨形成の代謝共役を解析した。(1)骨形態計測により、OPG欠損マウスは、骨吸収マーカーと骨形成マーカーが共に亢進していた。(2)BP投与により、骨吸収マーカーの低下と共に骨形成マーカーの著明な低下が認められた。(3)血清ALP活性は、OPG欠損マウスでは高値を示したが、BPの投与により正常値以下まで低下した。以上の結果は、骨吸収と骨形成は共役しており、共役因子が実際に存在する可能性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Li X et al.: "p38 MAPK is crucially involved in osteoclast differentiation but not in cytokine production, phagocytosis or dendritic cell differentiation of bone marrow macrophages"Endocrinology. (in press). (2003)
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[Publications] Itoh K et al.: "Lipopolysaccharide promotes the survival of osteoclasts via toll-like receptor 4, but cytokine production of osteoclasts in response to lipopolysaccharide is different from that of macrophages"J Immunol. (in press). (2003)
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[Publications] Takami M et al.: "Involvement of vacuolar H^+ -ATPase in incorporation of risedronate into osteoclasts"Bone. (in press). (2003)
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[Publications] Nakagawa H et al.: "Novel anti-resorptive reagents, destruxins reversibly block poralization of osteoclasts"Bone. (in press). (2003)
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[Publications] Li X et al.: "p38 MAP kinase-mediated signals are required for inducing osteoclast differentiation but not for osteoclast function"Endocrinology. 143. 3105-3113 (2002)
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[Publications] Udagawa N et al.: "The molecular mechanism of osteoclastogenesis in rheumatoid arthritis"Arthritis Res. 4. 281-289 (2002)
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[Publications] Takahashi N et al.: "Principles of Bone Biology, Second Edition, Volume 1"Academic press. 882 (2002)