2004 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞を調節するシグナル伝達系と骨・歯周疾患における骨破壊機序の解明
Project/Area Number |
12137209
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
平岡 行博 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (20097512)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (90278177)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨髄マクロファージ / PGE_2 / ヒトCD14陽性細胞 / TAK1 / 破骨細胞形成抑制因子 / 骨髄マクロファージ / RAW264細胞 |
Research Abstract |
破骨細胞の分化と機能を調節するシグナル伝達系の解析を目指してきた。PGE_2は、骨芽細胞の破骨細胞分化因子(RANKL)を誘導することは広く知られているが,破骨細胞前駆細胞に対しても強力に作用する。今回我々は,マウスとヒト破骨細胞形成におけるPGE_2の作用を解析し、以下の結果を得た。 (1)PGE_2は、RANKL駕誘導するマウス骨髄マクロファージとマクロファージ細胞株RAW264細胞の破骨細胞への分化を促進した。PGE_2による促進効果は、cAMP-PKAの活性化により誘導された。 (2)TGF-β activated kinase 1(TAK1)が、PKAがリン酸化するモチーフ(RRXS)を有することを見出した。TAK1はPGE_2刺激でリン酸化され、H89はそのリン酸化を抑制した。 (3)412番目のSerをA1aに置換したS412A-TAK1を発現させたRAW264細胞では、PGE_2の促進作用が消失した。 (4)PGE_2は、RANKLおよびM-CSFが誘導するヒトCD14陽性細胞から破骨細胞への分化を強力に抑制した。H89はPGE_2による抑制作用を解除した。 (5)CD14陽性細胞はPGE_2に反応して、強力な破骨細胞形成抑制因子を産生した。この抑制因子は、マウス破骨細胞形成も強力に抑制した。(6)CD14陽性細胞が産生する破骨細胞形成抑制因子は,破骨細胞形成を抑制することが知られている既知のサイトカイン(GM-CSF,IL-4,INF-γ)ではなく、新規のサイトカインである可能性が示された。 以上の知見より、マウスとヒトの破骨細胞形成に対して、PGE_2は異なる作用を有することが明らかにされた。また、ヒト破骨細胞前駆細胞はPGE_2に反応して、破骨細胞形成を抑制する新規のサイトカインを産生することが示された。
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Research Products
(7 results)