2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨格系の制御プログラムにおける骨形成因子の機能と役割
Project/Area Number |
12137211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
今村 健志 (財)癌研究会, 癌研究所・生化学部, 主任研究員 (70264421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮園 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90209908)
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Keywords | BMP / 骨格系 / Smad / シグナル伝達 |
Research Abstract |
骨形成因子(BMP)のシグナル伝達のメカニズムについて検討し、以下の知見を得た。 まず、ユビキチン・プロテアソーム系による、BMPとTGF-bのシグナル伝達制御について解析した。HECT型E3ライゲースSmurf1は、BMP特異型Smad1/5に結合し、その分解を促進することでBMPの制御している。ところが我々の検討では、Smurf1はSmad1/5のみならず抑制型SmadであるSmad6やSmad7とも強く結合した。そして核内に局在するSmad6/7はSmurf1存在下に核外に移行した。さらにSmurf1はSmad7を介してI型TGF-bレセプターに結合し、Smad7とレセプターのユビキチン化とプロテアソームにおける分解を促進した。以上のことから、BMPとTGF-bのシグナルが同じE3ライゲースによって制御されているというユニークなメカニズムが明らかになった。 次に、抑制型SmadであるSmad6とSmad7のdeletion mutantとキメラ蛋白を作製し、両者の機能的差異に対するドメインの役割を検討した。その結果、Smad7がSmad6と異なりBMPのみならずTGF-bのシグナルも強力に抑制することは、Smad7のN末端側によって規定されていることを明らかにした。 さらに、東京大学医科学研究所の山本雅先生との共同研究で、BMPシグナルの新しい制御因子としてTobを解析した。その結果、TobはSmad1のMH2領域に結合し、その細胞内局在を変化させ、転写を阻害した。tob遺伝子欠損マウスの骨量は増加することから、TobはSmadに結合し、BMPのシグナルを負に制御していると考えられる。
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[Publications] Oh,SP. et al.: "Activin receptor-like kinase I modulates transforming growth factor-betal I signaling in the regulation of angiogenesis"Proc Natl Acad Sci USA. 97. 2626-2631 (2000)
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[Publications] Yoshida,Y. et al.: "Negative Regulation of BMP/Smad Signaling by Tob in osteoblest."Cell. 103. 1085-1097 (2000)