2000 Fiscal Year Annual Research Report
種子貯蔵タンパク質遺伝子発現の栄養シグナル応答機構
Project/Area Number |
12138201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内藤 哲 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20164105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80242163)
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Keywords | イオウ栄養応答 / 種子貯蔵タンパク質 / トランスジェニック植物 |
Research Abstract |
トランスジェニック・シロイヌナズナを用いた解析から明らかになったβサブユニットプロモーターのイオウ欠乏応答領域(約300塩基対)をカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターに3つタンデムに組み込んだ融合プロモーター[p35S::bbb]のロゼット葉におけるイオウ欠乏応答性を調べた.[p35S::bbb]-[GFP]を持つトランスジェニック・シロイヌナズナ(「NOB植物」)はイオウ欠乏によって蛍光が地上部で強くなった.これにより,βサブユニットプロモーターのイオウ欠乏応答を葉で解析する系が確立した.一過的発現系での解析にも道を開くと期待される.また,通常条件で育てた植物をイオウ欠乏にさらすと,葉の周辺部から蛍光が強くなった.蛍光強度の増加は明らかな欠乏症状が出る前に認められる.実際の欠乏症状(葉の黄化)も葉の周辺部から始まるので,このプロモータは欠乏症状に先立って発現する指標となると考えられる.さらに,NOB植物に変異誘起処理を施し,通常条件でも強い蛍光の見られる植物ラインを得た.これらの植物のうち4株を掛け合わせ、F2での分離を植物個体ごとの蛍光強度を測定することにより調べた.分離が観察され遺伝的変異を持つと考えられたが、変異が1遺伝子座であるかどうかの判定には至っていない. βサブユニットプロモーターのメチオニン応答領域は未だ明確にはなっていない.そこで,NOB植物にmto1変異を導入したところ,種子およびロゼット葉でのGFPタンパク質の蓄積が減少した。"全長"(約1kb)のβサブユニットプロモーターと35Sプロモーターを融合したプロモーターもmto1変異ならびにメチオニン添加によって発現が抑えられた.
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