2001 Fiscal Year Annual Research Report
種子貯蔵タンパク質遺伝子発現の栄養シグナル応答機構
Project/Area Number |
12138201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内藤 哲 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20164105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80242163)
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Keywords | ダイズ / シロイヌナズナ / コングリシニン / メチオニン / 硫黄欠乏 |
Research Abstract |
CGSの第1エキソンの欠失変異およびアラニン置換の導入による一過的発現系での解析により,メチオニンの生合成制御に重要な機能を有している領域が14アミノ酸に狭められた.CGS第1エキソンの機能解析は一過的発現系におけるレポーター活性を指標として行ってきたが,この系ではmRNAの動態の解析は困難であったので,同様のDNAを導入したトランスジェニック・シロイヌナズナを用いた解析を行った.その結果,一過的発現系での結果がmRNAのレベルで追認されるとともに,カルス培養の系で検出していたCGS mRNA分解の中間体と考えられる短いRNAも検出された. トランスジェニック・シロイヌナズナを用いたβサブユニットプロモーターの機能解析により,-73から-307に硫黄欠乏応答に必要な領域があると考えられた.この領域をCaMV 35Sプロモーターの-90の位置に3つタンデムにつないだ融合プロモーターを構築し,GFPとつないでシロイヌナズナに遺伝子導入した(NOB株).NOB株は硫黄欠乏条件で地上部全体での蛍光が強くなり,この領域が硫黄欠乏応答に関与していることが示された.これまで,種子貯蔵タンパク質遺伝子の栄養条件応答はトランスジェニック植物の種子を用いる以外に実験系がなかったが,この系を用いれば一過的発現系での解析が可能になると期待される.NOB株にmto1変異を導入すると種子でのGFPタンパク質の蓄積が減少するが,本葉での減少は認められない.一方,全長のβサブユニットプロモーターにCaMV 35Sプロモーターのエンハンサー領域をつないだプロモーターではmto1変異によって葉での発現が抑えられた.硫黄欠乏に対する応答には種子と本葉で共通性が見られるのに対して,メチオニン応答は両者で異なっていることを示唆している.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Suzuki: "The first exon coding region of cystathionine γ-synthase gene is necessary and sufficient for downregulation of its own mRNA accumulation in transgenic Arabidopsis thaliana"Plant Cell Physiol.. 42(10). 1174-1180 (2001)
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[Publications] K.T.Yoshida: "The synergistic effects of sugar and abscisic acid on myo-inositol-1-phosphate synthase expression"Physiol.Plant. (in press).
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[Publications] M.Y.Hirai: "Roles of methionine and O-acetyl-L-serine in regulation of genes for soybean seed storage proteins"Soil Sci.Plant Nutr.. (in press).
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[Publications] N.Shibagaki: "Selenate resistant mutants of Arabidopsis thaliana identify Sultr1;2, a sulfate transporter required for efficient transport of sulfate into roots"Plant J.. (in press).