2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインによるマスト細胞の機能修飾とその制御についての研究
Project/Area Number |
12139202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平澤 典保 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80181155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 和雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20006357)
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Keywords | JAK3 / JAK2 / PI3-kinase / p44 / p42MAP kinase / p38MAP kinase / ヒスチジン脱炭酸酵素 / アレルギー / 血管新生 |
Research Abstract |
マスト細胞におけるサイトカイン刺激、及び抗原刺激による細胞内シグナル伝達間のクロストークを明らかにするために、まず、マスト細胞の分化・増殖に関与するIL-3により活性化されるチロシンキナーゼJAK2、およびIgE産生に関与し、アレルギー反応の増悪化に関与していると考えられるIL-4により活性化されるJAK3が、抗原刺激により誘発されるマスト細胞の活性化反応にどのように関与しているか解析した。その結果、JAK2およびJAK3はいずれも抗原刺激による脱顆粒反応に関与することが明らかになった。特にJAK3は、抗原刺激によるp42/p44MAP kinase、p38MAP kinase及びc-Jun N-terminal kinaseの活性化のいずれにも関与すること、さらに、PI3-kinaseの上流に位置していることが明らかになった。また、IgE非依存的な刺激薬thapsigarginによるマスト細胞の活性化に対するJAK3阻害薬の効果を検討したところ、thpasigarigin刺激による脱顆粒反応はJAK3-PI3-kinase系が関与していること、p38MAP kinaseの活性化にはこの経路は関与していないことが明らかになった。 一方、ヒスタミン産生酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウスを用いて、アレルギー性炎症モデルおよび血管新生モデルを作製した。これらのモデルを用いてヒスタミンの役割について再評価したところ、ヒスタミンはアナフィラキシー様の血管透過性亢進反応に関与するだけでなく、好中球の浸潤に抑制的に作用していること、また、血管新生及び肉芽増殖に関与していることが明らかになった。その分子機序についてさらに検討中である。
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