2000 Fiscal Year Annual Research Report
ロイコトリエン合成・代謝酵素、ロイコトリエン受容体を介したマスト細胞活性化の機序
Project/Area Number |
12139203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横溝 岳彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60302840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚住 尚紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | ロイコトリエンB4 / BLT1 / BLT2 / G-タンパク質共役型受容体 / クローニング / フォスホリパーゼ / 顆粒放出 |
Research Abstract |
強力な生理活性脂質であるロイコトリエンの生体内における役割を解明する目的でロイコトリエンB4受容体(BLT1)を欠損するマウスを作成した。現在純系化を進めつつあり、表現形の解析を行う予定である。さらに、BLT1の好中球、マクロファージ特異的な発現の分子機構を解明し、転写因子Sp1とゲノムDNAのメチル化がBLT1の白血球特異的な発現に重要であることを明らかにした。 さらにBLT1の転写機構の解明を行う目的で単離したBLT1遺伝子の近傍に、BLT1と相同性を有する新規受容体遺伝子を発見し、これがロイコトリエンB4を認識して細胞内にシグナルを伝達する受容体であることを明らかにし、これをBLT2と命名した。BLT2に関して詳細な解析を行ったところ、ロイコトリエンB4以外にも12-ヒドロキシテトラエン酸によっても活性化されることを見いだした。 さらにロイコトリエン産生のキーエンザイムである細胞質型フォスホリパーゼA2欠損マウスから樹立したBMMCを用いて、IgE受容体架橋刺激による細胞顆粒放出反応について検討を行った。野生型マウスに比べて欠損マウスでは、同刺激によるヒスタミンやβ-ヘキソサミニダーゼ放出が低下しており、この低下はBMMCに蓄えられているヒスタミン含量が野生型マウスに比べて約60%であることに由来していることが推定された。以上から、マスト細胞刺激による炎症性メディエーターの産生・放出に細胞質型フォスホリパーゼA2が深く関与していることが明らかとなった。
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[Publications] Yokomizo,T 他: "Leukotriene B4 receptor.Cloning and intracellular signaling."Am.J.Resp.Crit.Care Med.. 161. 51-55 (2000)
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[Publications] Kato,K.,Yokomizo,T. 他: "Cell-specific transcriptional regulation of human leukotriene B4 receptor gene."J.Exp.Med.. 192. 413-420 (2000)
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[Publications] Yokomizo,T 他: "A Second Leukotriene B4 Receptor, BLT2.A new therapeutic target in inflammation and immunological disorders."J.Exp.Med.. 192. 421-432 (2000)
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[Publications] Nakatani,N. 他: "Role of cytosolic phospholipaase A2 in lipid mediator productions and histamine release in mouse bone marrow-derived mast cells."Biochem.J.. 352. 311-317 (2000)
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[Publications] Yokomizo,T. 他: "Hydroxyeicosanoids bind to and activate the low-affinity leukotriene B4 receptor, BLT2."J.Biol.Chem.. (印刷中).
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[Publications] Yokomizo,T. 他: "Leukotriene B4 : metabolism and signal transduction."Arch.Biochem.Biophys.. 385. 231-241 (2001)
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[Publications] Shimizu,T.,Yokomizo,T. 他: "Advances in Eicosanoid Research"Leukotriene-B4 receptor and signal transduction.. 17 (2000)