2001 Fiscal Year Annual Research Report
セラミド・シグナル調節による細胞死誘導機構の解明とその臨床的意義
Project/Area Number |
12140203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 俊朗 京都大学, 医学研究科, 講師 (40233308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 茂 岐阜大学, 医学部, 教授 (60188935)
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Keywords | セラミド / アポトーシス / 白血病 / スフィンゴ脂質 / メディエーター |
Research Abstract |
(1)セラミド受容体やセラミド結合蛋白の同定するために、抗セラミド抗体による免疫沈降法によりセラミドとPI3KやATM, PLD等のアポトーシス関連リン酸化酵素群との細胞内結合が示唆された。さらに、カスペースー3との介合も確認され、セラミドと種々のアポトーシス制御因子との直接制御が明らかとなった。さらに、(2)セラミド量を代謝・調節する機構の解明のために、SM合成酵素のクローニングを酵素欠損株を用いて実施中であり、(3)セラミドを介した分化・細胞死の臨床的、生理的意義の解明のためセラミドの変化とアポトーシスに起因するアルツハイマー病などの神経変性疾患の脳脊髄液中でのセラミドの意義についても解析中。(4)種々の方法によるSMS遺伝子のクローニングとその機能解析については、すでに発見したSMSの欠損T-リンパ球よりSMS関連遺伝子をスクリーニング中であるが、それに加えてショウジョウバエの細胞中にSMが同様に欠損し、SMSも欠損することが判明した。このショウジョウバエ細胞には遺伝子をT-リンパ球より高率に導入することが可能であることが判明し、更にバキュロウイルスをベクターとしてより高率に遺伝子導入可能か検討中である。この事が実現できれば、より速やかにSMS遺伝子のクローニングが可能となると思われ、鋭意実験中である。SMS欠損T-リンパ球でのミクロドメインを会したサイトカインやTCRの活性化についても、CD3分子のクロスリンクによりその下流のシグナルが活性化するかについて検討中である。(5)セラミド結合蛋白(CBP)もしくはセラミデェーションの同定についてはセラミドがATMと会合することが免疫沈降実験で判明し、それらは細胞膜よりむしろ細胞質内の脂肪滴におおく局在する。セラミドはATMを活性化してそのリン酸化基質であるPHAS-1をリン酸化するが、in vitroでは直接に活性化しないので、脂肪滴の中に両者のシグナルを架橋する分子が存在する可能性が高く、その分子の探索中である。
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[Publications] Goda S., Okazaki T, et al.: "Fractalkine, a CX3C-chemokine, functions predominantly as an adhesion molecule in monocytic cell line THP-1"Immunology and Cell Biology. 79. 298-302 (2001)
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[Publications] Huang J-Y., Okazaki T.et al.: "Differential interaction of Cbl with Grb2 and CrkL in CD-2 mediate NK cell activation"Mol. Immunol.. 37. 1057-1065 (2001)
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[Publications] Umehara H., Okazaki T, et al.: "Role for adapter proteines in costimulatory signals of CD2 and IL-2 on NK cell activation"Mol. Immunol.. 38. 587-596 (2001)
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[Publications] Umehara H., Okazaki T, et al.: "Fractalkine and vascular injury"Trends in Immunology. 22(11). 602-607 (2001)
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[Publications] Yabu T., Okazaki T.et al.: "Characterization of zebrafish caspase-3 and induction of apoptosis through ceramide generation in fish FHM cells and zebrafish embryo"Biochem. J.. 360(1). 39-47 (2001)