2000 Fiscal Year Annual Research Report
中性/アルカリ性セラミダーゼによるスフィンゴ脂質シグナリングの制御
Project/Area Number |
12140204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 信 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (40253512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 峯介 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
沖野 望 九州大学, 大学院・農学研究院・日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | スフィンゴ脂質 / シグナル伝達 / セラミダーゼ / スフィンゴシン / セラミド |
Research Abstract |
ほ乳動物の2種の中性セラミダーゼのcDNAクローニングに成功した。さらに、セラミダーゼに対する抗体を作製し、細胞内の分布を調べたところ、ラット腎臓では尿細管の細胞膜のアピカル面に、肝臓ではエンドソーム系に局在していることが示され、臓器によって異なる細胞内分布をしていることが明らかになった。興味深いことに,細胞膜ではガングリオシドGM1やコレステロールとともにセラミダーゼはラフトに存在していることが示された。また、マウス中性セラミダーゼのゲノムを解析し、25個のエキソンからなることを明らかにした。一方、プロモーター領域を解析したところ、脳の第1エキソンにはAP1やSTATなどの転写因子結合部位が存在し、肝臓セラミダーゼとは明らかに異なる発現制御を受けていることが示された。また、TATAボックスが含まれていないことから、セラミダーゼ遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子であることが推定された。細胞性粘菌およびショウジョウバエから本酵素のホモログ遺伝子を単離し、発現解析を行った。今後は、マウスおよびこれらのホモログ遺伝子のノックアウトおよび過剰発現を行い、個体におけるセラミダーゼの機能を解析する予定である。一方、理研の平林らと共同でゼブラフィッシュのGlcTの神経発生における役割をmorphorino oligonucleotideを用いたアンチセンス法を用いて調べた。その結果、GlcT活性を阻害すると受精後24時間以降の胚で中枢神経系のアポトーシスが観察され、胚発生が停止することが示された。この結果は、GlcTが脊椎動物の神経発生に必須であることを強く示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tani,M. et al.: "Purification and characterization of a novel ceramidase from mouse liver."Journal of Biological Chemistry. 275. 3462-3468 (2000)
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[Publications] Tani,M. et al.: "Molecular cloning of the full-length cDNA encoding mouse ceramidase."Journal of Biological Chemistry. 275. 11229-11234 (2000)
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[Publications] Horibata,Y. et al.: "Purification, characterization and cDNA cloning of a novel acidic endoglycoceramidase from the jellyfish, Cyanea nozakii."Journal of Biological Chemistry. 275. 31297-31304 (2000)
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[Publications] Kurita,T. et al.: "Enhancement of hydrolytic activity of sphingolipid ceramide N-deacylase in the aqueous-organic biphasic system."Journal of Lipid Research. 41. 846-851 (2000)
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[Publications] Komori,H. et al.: "Regulation of UDP-glucose : ceramide glucosyltransferase-1 by ceramide."FEBS Letter. 475. 247-250 (2000)
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[Publications] Kita,K. et al.: "Characterization of the reversible nature of the reaction catalyzed by sphingolid ceramide N-deacylase. -A novel form of reverse hydrolysis reaction"European Journal of Biochemistry. 268. 592-602 (2001)