2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12140205
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平林 義雄 理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 上級研究員 (90106435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 潤二 大阪大学, 大学院・社会環境医学, 教授 (50163407)
古金谷 綾子(香山 綾子) 理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 研究員 (70312270)
古屋 茂樹 理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 研究員 (00222274)
三好 一郎 東北大学, 動物実験施設, 助手 (10183972)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / スフィンゴミエリン / ラフト / グルコシルセラミド / ノックアウトマウス / アポトーシス / セリンパルミトイル転移酵素 |
Research Abstract |
個体レベルでのスフィンゴ脂質機能を解析する目的で、Sptlc-2floxマウスを作成し、k5Cre、lckCre、Cag-Creのトランスジェニックマウスと交配させることにより、それぞれ皮膚、T細胞、初期発生細胞で特異的にスフィンゴ脂質合成が欠損したマウスを確立することに成功した。その結果、意外なことに、スフィンゴ脂質が欠損したにもかかわらず、皮膚やT細胞の基本的な分化には影響が見られなかった。一つの理由として、細胞は外からスフィンゴ脂質を取り込み、膜の構成要素として利用していることが明らかとなった。実際、ノックアウトしたT細胞から膜ラフト画分を単離したところラフトマーカーであるGM1ガングリオシドの存在が示された。このモデルマウスは、外からの脂質供給のシステムの存在を明らかにしたと共に、内在性のスフィンゴ脂質と外からのスフィンゴ脂質の機能的相違を理解する上で、優れたツールを提供すると期待された。T細胞ノックアウトの際だった表現型としてシングルポジティブT細胞への分化異常が認められた。現在、その分子メカニズムの解析が進められている。 一方、スフィンゴ脂質は、糖脂質とスフィンゴミエリンの2大グループより構成されている。糖脂質機能を解析する目的で、グルコシルセラミド合成酵素遺伝子欠損マウスを作成したところ、糖脂質合成はマウス初期発生に必須であることが見いだしている。今年度更に、Tgマウスとの交配実験系により、神経系での糖脂質合成が個体発生に特に重要であることが見いだされた。現在、グルコシルセラミド合成酵素の神経発生での機能を中心に解析を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Katsunuma., O., Yokoyama, M., et al: "Association of FegammaRII with low-density detergent-resistant membranes is important for"J. Immunology. 167. 5814-5823 (2001)
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[Publications] Sprong, H., Hirabayashi, Y., et al: "Glycosphingolipids are required for sorting melanosomal proteins in the Golji complex"J. Cell Biology. 155. 369-380 (2001)
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[Publications] Choo, Y-K., Ichikawa S., et al: "Developmental patterns of GlcT-1 expression"Mol Cell. 11. 346-351 (2001)
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[Publications] Mizutani, Y., Yoshida H., et al: "Nuclear localization of neutral sphingomyelinase 1"J. Cell Science. 114. 3727-3736 (2001)
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[Publications] Yamazaki, M., Furuya, S., et al: "3-Phosphiglycerate dehydrogenase is preferentially expressed"J Neuroscienc. 21. 7691-7704 (2001)
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[Publications] Nagatsuka, Y., Kasama, T., et al: "A new phosphoglycerolipid, phosphatidylglucose in human cord red cells"FEBS letters. 497. 141-147 (2001)