2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12140205
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平林 義雄 独立行政法人理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 上級研究員 (90106435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 潤二 大阪大学, 医学研究科・社会環境医学, 教授 (50163407)
大須賀 壮 独立行政法人理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, リサーチアソシエイト (10332321)
古屋 茂樹 独立行政法人理化学研究所, 神経回路メカニズム研究グループ, 研究員 (00222274)
三好 一郎 名古屋市立大学, 医学研究科・実験動物, 助教授 (10183972)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / ノックアウトマウス / グルコシルセラミド / セリン / ラフト / プルキンエ細胞 / スフィンゴミエリン / アポトーシス |
Research Abstract |
ニューロンとグリア細胞間相互作用とスフィンゴ脂質合成: 試験管内においてグリアが産生するセリンは神経細胞の生存と形態形成に必須である。また、スフィンゴ脂質合成の前駆体としてL-セリンは必須なアミノ酸でもある。本年度セリン合成の要であるPhgdh遺伝子のノックアウトマウスを作成に成功した。その結果、グルコース由来のセリン合成は、特に中枢神経系の形態形成と発達に必須であることを見出した。又同時に、セリンの枯渇は、中枢神経組織に存在するスフィンゴ脂質の劇的な低下を招いた。 スフインゴ脂質欠損マウスによる機能解析: 既に確立しているSptlc2(スフィンゴ脂質合成の鍵を握るセリンパルミチン酸転移酵素遺伝子)floxマウスと、今年度新たに作成したL7-Creトランスジェニックマウスとを交配させることにより、Sptlc2をプルキンエ細胞特異的に遺伝子破壊したマウスを作成することに成功した。得られたマウスは軽度のAtaxiaを示した。驚いたことに、小脳プルキンエ細胞のほとんどは死んだにもかかわらず、特定の領域のプルキンエ細胞は生存していた。その形態は、正常では決して見られない複数のPrimary dendriteの形成が観察された。生存しているプルキンエ細胞は、ガングリオシドが欠損していた。この変異マウスはフィンゴ脂質がプルキンエ細胞の形態や機能に重要な膜成分であることを教えていた。 新しい糖脂質の発見: HL60細胞よりラフト構成成分のなかから新しい糖脂質を発見し、その構造をホスファチジルグルコシドと決定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagatsuka, Y., Hara-Yokoyama, M., Kasama, T., Takekoshi, M., Maeda, F.: "Carbohydrate-dependent signaling from the phosphatidylglucoside-based microdomain induces granulocytic differentiation of HL60 cells"Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 100. 7454-7459 (2003)
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[Publications] Stanic A.K., De Silva, D., Park, J.J., Sriram, V., Ichikawa, S., Hirabayashi, Y.: "Defective presentation of the CD1d1-restricted natural V_14J_18 NKT lymphocyte antigen caused by β-D-glucosylceramide synthase deficiency"Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 100. 1849-1854 (2003)
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[Publications] Hirabayashi, Y., Kanamori, A., Nomura S., Nomura, K: "SLC-33, acetyl-CoA transporter family"Eur.J.Physiol. 447. 760-762 (2003)
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[Publications] Manolova V, Hirabayashi Y, Mori L, De Libero G.: "CD1a and CD1b surface expression is independent from de novo synthesized glycosphingolipids."Eur J Immunol.. 33. 29-37 (2003)
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[Publications] Yamamoto, T., Nishizaki, I., Furuya S., Hirabayashi, Y., Takahashi, K., その他: "Characterization of rapid and high affinity uptake of L-serine in neurons and astrocy tes in primary culture."FEBS letter. 548. 69-73 (2003)
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[Publications] Yoshida K, Furuya S, Osuka S, Mitoma J, Hirabayashi, Y., その他: "Targeted disruption of the mouse 3-phosphoglycerate dehydrogenase gene causes severe neurodevelopmental defects and results in embryonic lethality"J.Biol.Chem.. 279. 3537-3577 (2004)