2003 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造および転写因子による染色体複製の制御機構の研究
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12141202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 洋太 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (20260622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 昌一郎 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学研究所, 副参事研究員 (30239420)
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Keywords | 生体分子 / 染色体複製 / クロマチン / 転写因子 |
Research Abstract |
1.転写因子の複製制御における役割の検討(村上) 真核細胞において転写因子が複製を制御しうることが明らかになりつつあるが、しかし、その分子機構はわかっていない。そこで、複製起点が詳細にわかっている出芽酵母を用いて、転写因子が複製開始のどのステップを制御するかクロマチン免疫沈降法を用いて解析を行った。その結果、転写因子が複製のイニシエーターであるORCの複製起点への安定な結合を促すことが明らかとなった。高等真核細胞ではORCのDNA結合特異性が低く何が複製起点への結合の特異性を決めているか明確で無かったが、我々の結果は転写因子がその複製起点結合の特異性、言い換えれば複製起点の場所を決める因子として機能している可能性を示している。 2.哺乳類細胞における複製起点の同定(宮武) competitive PCR法を用いた複製起点のマッピング法を確立した、(1)IL-3/GM-CSFを産生しないヒト細胞株ではGM-CSF遺伝子下流領域に、産生細胞では、誘導的DNaseI感受性領域近傍に複製起点が検出された。このことは、転写特異的な遺伝子活性化に伴うクロマチン構造によりその複製活性が規定されていることを示唆する。(2)前駆T細胞からTh2細胞に分化する過程でIL4/IL13領域の染色体構造が変化しこれらのサイトカインの産生が起こるがTh1細胞ではいずれもおこらない。精度を上げたマッピングより、Th1細胞でもすでにTh2細胞で見いだしていたのと同じIL13遺伝子下流のサイトカイン発現の制御領域とIL13遺伝子の間に複製起点が存在することがわかった。この領域は種を超えて保存されていて、。ヒトの白血病細胞株においてこの領域の複製タイミングがS期の非常に初期であることがみいだされた。これはヒトでもこの領域に複製起点が存在する可能性を示している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ueno, M: "Fission yeast Arp6 is required for telomere silencing independently of Swi6"Nuc.Acid.Res.. 32. 736-741 (2004)
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[Publications] Chen, J: "Role of NFATx in expression of immunoregulatory genes in murine peripheral CD4Tcells"J.Immunol.. 170. 3109-3917 (2003)
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[Publications] Nakagawa, H.: "Fission yeast CENP-B homologues nucleate centromeric heterochromatin specific histone tail modifications"Genes & Dev.. 16. 1766-1778 (2002)
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[Publications] Takemoto, N.: "The differential involvement of the N-finger of GATA-3 in chromatin remodeling and transactivation during Th2 development"J.Immunol. 169. 4103-4107 (2002)
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[Publications] Amasaki, Y.: "A constitutively nuclear form of NFATx shows eEfficient tTransactivation activity and Induces Differentiation of CD4 + CD8 + T cCells"J.Biol.Chem.. 277. 25640-25648 (2002)
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[Publications] Takemoto, N.: "Cutting Edge : Chromatin remodeling at the IL-4/IL-13 intergenic regulatory region for Th2-specific cytokine gene cluster"J.Immunol.. 165. 6687-6691 (2000)