2000 Fiscal Year Annual Research Report
多様な生物におけるHis・Aspリン酸リレー型シグナル伝達の普遍的分子機構
Project/Area Number |
12142201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 猛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (10174038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 寿美 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30089859)
饗場 浩文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60211687)
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Keywords | 情報伝達 / His-Aspリン酸リレー / シロイヌナズナ / センサー / サイトカイニン / 転写因子 |
Research Abstract |
AHK4がサイトカイニン応答センサーであることを証明した。我々は、大腸菌や分裂酵母のHis・Aspリン酸リレー系に関しても解析を進めているが、これを利用してAHK4が大腸菌及び分裂酵母細胞内でセンサーHisキナーゼとして機能するシグナル伝達解析系を確立した。その結果、AHK4の支配下に大腸菌及び分裂酵母がサイトカイニンに応答する人工的シグナル伝達系ができた。このことはAHK4がサイトカイニンセンサーであることを直接的に証明するものと考えられる。センサーHisキナーゼの下流で働く因子が、リン酸リレー仲介因子AHP群である。我々がAHP群の総合的解析を行い、シロイヌナズナには5種類のAHP遺伝子が存在することが明らかとなった。これら全ての遺伝子を取得・解析して、それらの産物が確かにリン酸リレー仲介因子であることを生化学的にも証明した。以上のように、シロイヌナズナにおけるHis・Aspリン酸リレー系の全体像と植物の高次機能制御におけるその重要性を理解するための分子基盤をほぼ完全に整えることができた。のみならず、本特定領域研究の目的の一つである植物器官間コミュニケーションの一側面を明らかにするための多くの手がかりと基礎知識基盤を確立することができた。これは、本特的領域がスタートする時点で目標としていた到達点を遙かに越えた望外の成果であったと自負している。これらを基礎として今後さらに研究を展開により、高等植物の高次機能制御シグナル伝達機構の重要な側面としてHis・Aspリン酸リレーシグナル伝達系が注目すべきパラダイムになることは間違いないと考えられ今後の発展の基盤が確立できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ikegami,T. et al.: "Solution structure and dynamic character of the histidine-containing phosphotransfer domain of Arc B from E.cdi"Biochemistry. 40. 375-386 (2001)
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[Publications] Matsushika,A. et al.: "Circadium waves of expression of the AIRRI/ToC1 family of pseudo-response regulator in A, thaliana"Plant Cell Physiol.. 41. 1002-1012 (2000)
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[Publications] Katoh et al.: "High precision NMR structure of YhhP, a movel E. coli protein implicated in all division."J.Mol.Biol.. 304. 219-229 (2000)
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[Publications] Suzuki et al.: "Compilation and characterization of histidine-containing phosphrtransmitters implicated in His-to-Asp phosphorelay in plants"Biosci.Biotechnol.Biochem. 64. 2486-2489 (2000)
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[Publications] Aoyama et al.: "Spys, a histidine-containing Phosphytransfer (HPt) signaling protein regulates fission yeast cell cycle through the Mc4 response regulator"J.Bacteriol. 182. 4868-4874 (2000)
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[Publications] Makino et al.: "Gene en coding pseudo-response regulators : In sight into His-to-Asp phosphorelay and circadian rhythm in A. thaliana"Plant Cell Physiol.. 41. 791-803 (2000)