2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12142203
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
饗場 弘二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025662)
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Keywords | グルコース代謝 / 解糖系 / 代謝ストレス / small RNA / mRNA分解 / RNAシャペロン / RNase E / mRNA局在 |
Research Abstract |
1)ptsG mRNA分解におけるdegradosome/enolaseの役割 代謝ストレスに応答したptsG mRNAの分解を担うRNase Eは細胞内で解糖系酵素であるenolaseなどと結合しRNA degradosomeを形成している。RNA degradosomeを形成できないRNase EのC末端領域欠損変異株の解析から、ptsG mRNAにはRNA degradosomeが必要であること、RNA degradosomeの構成因子であるPNPase(pnp), RhlB RNA helicase(rhlB),およびenolase(eno)の変異株の解析から、RNA degradosomeに組み込まれたenolaseがRNase EによるptsG mRNAの分解の制御に関わっていると結論した。これは、RNA degradosomeの構成成分であるenolaseの役割を明らかにした初めての例である。 2)ptsG mRNA分解におけるsmall RNA/Hfqの関与とmRNAの膜への局在の役割 代謝ストレスに応答したptsG mRNAの分解にはRNAシャペロンHfqが関与していることを見いだした。このことから特定のアンチセンスsmall RNAの関与が予想されたが、米国のグループが、機能不明であったsmall RNAの1つRyaA(SgrS)が、このRNAであることを明らかにした。これらのことから、代謝ストレスに応答したptsG mRNAの分解は、SgrS/HfqによるptsG mRNAへのターゲティングとそれに続くRNA degradosomeによる作用であることが明らかとなった。さらに、SgrS/HfqのptsG mRNAへのターゲティングにはptsG mRNAの膜へ局在化が必要であること、ptsG mRNAの膜へ局在化は翻訳の効率を低下させることによりSgrS/Hfqの作用を容易にする結果であることを明らかにした。
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