2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチド除去修復反応の細胞内調節機構に関する研究
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12143202
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松永 司 金沢大学, 薬学部, 助教授 (60192340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
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Keywords | DNA損傷 / ヌクレオチド除去修復 / DDB / シクロブタン型ピリミジンダイマー / (6-4)光産物 / 局所紫外線照射 / 試験管内修復反応 / XPA |
Research Abstract |
1)局所紫外線照射法を用いたヌクレオチド除去修復(NER)機構の解析 直径8μmの穴があいたメンブレンフィルターを通して細胞に紫外線を照射することで核の一部にのみDNA損傷を誘起し、特異抗体で染色することにより、各基本NER因子の損傷部位への集積動態を詳細に検討した。その結果、XPAタンパクは正常ヒト細胞やXP-F細胞およびXP-G細胞で損傷部位への集積が見られたのに対し、XP-C細胞では全く見られず、XPAの損傷部位へのリクルートにXPCが必要であることが示唆された。また、THIIHのサブユニットであるXPBについても同様の実験を行ったところ、正常細胞、XP-A細胞、XP-F細胞、XP-G細胞で局在化が観察されたが、XP-C細胞では認められず、TFIIHの損傷部位へのリクルートにもXPCが要求され、XPA、XPF-ERCC1、XPGは必要ないことがわかった。一方、XPGやXPF-ERCC1では、XP-A細胞およびXP-C細胞で損傷部位への集積が見られなかったことから、これらのエンドヌクレアーゼのリクルートにはXPA、XPCともに必要であることが示された。以上の結果より、細胞内における基本NER因子の損傷部位への集合様式として、XPC-HR23B、TFIIH、XPA(+RPA)、XPG/XPF-ERCC1の順番があることが示唆された。 2)DDBのヌクレオチド除去修復反応促進機能の解析 DNA損傷に対して高い親和性を示すDDB(damaged-DNA bindillg protein)のNER反応における機能の解析を行った。バキュロウィルス・昆虫細胞系で作製したリコンビナントDDBをシクロブタン型ピリミジンダイマーを特定部位に1個含むDNA基質を用いた試験管内修復系に添加すると、切断効率が顕著に上昇することを見いだした。また、6つの基本NER因子からなる試験管内再構成系においても同様の促進効果が見られたことから、DDBは基本NER因子に直接的に作用して切断効率を促進することが明らかとなった。また、先に用いた局所紫外線照射法を利用して、DDBが紫外線照射直後から損傷部位に集積してくること、またこの反応にはXPAやXPCが不要であることを明らかにした。これらの結果より、DDBはNERの極めて初期の段階で損傷認識の補助因子として働いていることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tanaka, M.: "Effects of pholoreactivation of cyclobutane pyrimidine dimers and pyrlimdine (6-4) pyriridone photoproducts on ultraviolet mutagenesis in SOS-induced repair-deficient Escherichia coli"Mutagenesis. 16(1). 1-6 (2001)
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[Publications] Wakasugi, M.: "Damaged-DNA binding protein DDB stimulates the excision of cyclobutane pyrimidine dimers in vitro in concert with XPA and replication protein A"J. Biol. Chern.. 276(18). 15434-15440 (2001)
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[Publications] Katsumi, S.: "In situ visualization of ultraviolet light-induced DNA damage repair in locally irradiated human tibroblasts"J. Invest. Dermatol.. 117(5). 1156-1161 (2001)
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[Publications] Kiyosawa, K.: "Amplified UvrA protein can ameliorate the ultraviolet sensitivity of an Escherichia coli recA mutant"Mutation Res.. 487(3-4). 149-156 (2001)
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[Publications] Mone, M.J.: "Local UV-induced DNA damage in cell nuclei results in local transcription inhibition"EMBO. Rep.. 2(11). 1013-1017 (2001)
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[Publications] Wakasugi, M.: "DDB accumulates at DNA damage sites immediately after UV irradiation and directly stimulates nucleotideexcision repair"J. Biol. Chemn.. 277(3). 1637-1640 (2002)