2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチド除去修復反応の細胞内調節機構に関する研究
Project/Area Number |
12143202
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松永 司 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60192340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 靖人 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20232275)
若杉 光生 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (80345595)
|
Keywords | DNA損傷 / ヌクレオチド除去修復 / DDB / シクロブタン型ピリミジンダイマー / 紫外線 / ユビキチン・プロテアソーム系 / アポトーシス / c-Jun |
Research Abstract |
我々はこれまでDDB (DDB1/DDB2ヘテロダイマー)がヌクレオチド除去修復の促進因子として働くことを示してきたが、最近このDDBがユビキチン・プロテアソーム系にも関与することが示されており、本研究でもヌクレオチド修復の調節や修復以外におけるDDBの機能に視野を広げて解析を行った。具体的には、作製したDDB1特異的モノクローナル抗体を用いてDDB1の細胞内局在性を調べるとともに、DDB1とDDB2を各々ドキシサイクリン存在下で過剰発現する細胞株を樹立し、各サブユニットを過剰発現させたときの細胞への影響を検討した。その結果、抗DDB1モノクローナル抗体による免疫染色像は、主に細胞質に局在するという従来の過剰発現細胞を用いた報告とは異なり、核内でドット状の局在を示した。また、この染色像はDDB2遺伝子に変異をもつXP-E細胞、およびDDB2の発現が抑制されているチャイニーズハムスター細胞でも観察されることからDDB2に非依存的であることがわかり、他の因子の関与が考えられた。また、核の一部に局所紫外線照射を行うとこのドットはDNA損傷部位に集積し、この反応はDDB2に依存していた。一方、DDB1を過剰発現させた細胞ではドット状の染色像は見られず、多くは細胞質のみが強く均質に染色された。興味深いことに、このDDB1過剰発現細胞株は増殖能やコロニー形成能に著しい抑制が見られ、一部の細胞ではアポトーシス誘導が観察された。さらに、ヌクレオチド除去修復能には顕著な影響は認められなかったが、過剰発現時に細胞内のc-Jun量が顕著に増加し、またリン酸化体も増加していることがわかった。以上の結果より、DDB1がc-Junの活性調節およびアポトーシスにも関与する可能性が示唆された。
|
Research Products
(6 results)