2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12143205
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山泉 克 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70107093)
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Keywords | 複製後修復 / Rad18 / ゲノム不安定性 / 発現調節 / UV^SS / TCR |
Research Abstract |
DNA損傷に伴いRad18の転写レベルは損傷に比例して減少する。15J/m^2照射して2〜3時間後にはRad18mRNA量は照射前の25%程度にまで減少するにもかかわらず、Rad18タン白量はほとんど変化しない。このようなタン白量の維持には新規のタン白合成が必要であった。更に解析してゆくと、Rad18タン白の翻訳レベルが上昇していることが判った。Rad18の核内局在部位を免疫染色法で調べると、Rad18には核内に均一に分布する分子種の他に、核内の特定部位に濃縮してドットを形成(Nuclear Dots ; ND)する分子種のあることがわかった。細胞に種々のDNA損傷を加えると短時間のうちに大部分のNDを形成するRad18は核内に拡散する。Rad18タン白の機能を調べる目的から、常法に従って、RAD18ノックアウトマウスES細胞を作製した。これらのノックアウトES細胞を用いて、(i)種々のDNA損傷に対する感受性、(ii)誘導突然変異の頻度、(iii)姉妹染色分体交換の頻度、及び(iv)外来性DNAのゲムノDNAへ組み込まれる頻度等を調べた結果、高等真核細胞においても我々の単離したRad18タン白が複製後修復に関与し、その欠損に伴いゲノム不安定性の表現型が生じること、およびRad18は何らかの機構で組換えを抑制していることが明らかとなった。 UV^S症候群(UV^SS)は紫外線照射後のRNA合成の回復が選択的に異常を示す新しい遺伝性疾患として我々が報告したものである。今回転写共役型DNA修復(TCR)の異常の有無を調べるため、DHFR、p53遺伝子内に生じたシクロブタン型ピリミジン2量体の修復を詳細に解析し、予想通りTCR異常のあることを明らかにした。またUV^S細胞においてはコケイン細胞(CS)同様、低線量のUVでp53の活性化・安定化が起こり細胞周期がG1で停止することを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ren., Y., et al.: "Three novel mutations responsible for Cockayne syndrome group A"Genes & Genetic Systems. (in press).
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[Publications] Tateishi, S., et al.: "Enhanced genomic instability and defective postreplication repair in RAD18 Knockout mouse embryonic stem cells"Molecular and Cellular Biology. 23(2). 474-481 (2003)
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[Publications] Okada, T., et al.: "Involvement of verebrate Polk in Rad18-independent postreplication repair of UV damage"Journal of Biological Chemistry. 277(50). 48690-48695 (2002)
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[Publications] Yamashita, Y.M., et al.: "RAD18 and RAD54 cooperatively contribute to maintenance of genomic stability in vertebrate cells"EMBO Journal. 21(20). 5558-5566 (2002)
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[Publications] 立石 智, 山泉 克: "損傷トレランスとRAD6エピスタシス遺伝子群(Tolerance of DNA damage and RAD6 epistasis group)"蛋白質核酸酵素. 46(8). 1116-1123 (2001)