2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12143205
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山泉 克 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70107093)
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Keywords | 複製後修復 / Rad18 / PCNA / ユビキチン化 / TLS / polη |
Research Abstract |
複製後修復におけるRad18の役割を調べる目的からRAD18ノックアウトマウスより細胞株を樹立した。これらの細胞は正常コントロール細胞株と同じ増殖曲線を示すことからRad18は増殖には必須でないことが確認された。正常細胞株においては紫外線照射後PCNAがモノユビキチン化されるのに対しノックアウト細胞ではこのようなPCNAの修飾は認められないこと、またRad6結合部位を欠損するRad18タン白をRAD18ノックアウト細胞内で発現する細胞株やRad6に対するSiRNAで内在性のRad6をノックダウンするとPCNAのモノユビキチン化が抑制されることから、紫外線照射後に見られるPCNAのモノユビキチン化にはRad18とRad6が必須であることが明らかになった。免疫染色法及び生化学的なクロマチン分画法により、モノユビキチン化ざれたPCNAはクロマチンに結合しRad18と共局在化することを明らかにした。一方紫外線照射後、DNA損傷部位を乗り越えて複製を進行させる(TLS)DNA複製酵素ポリメラーゼエータ(polη)は免疫染色により核内フォーカスを形成することが既にイギリスの研究グループより報告されているが、このpolηの紫外線照射後のフォーカス形成がRad18ノックアウト細胞では見られないことを見出した。更にRad18ノックアウト細胞に正常ヒトRAD18cDNAをトランスフェクトして得られた安定発現株ではpolηのフォーカス形成が正常レベルに回復することから、polηの核内局在にRad18が決定的な役割を担っていることを初めて明らかにすることができた。更にpolηとRad18の核内での位置関係を免疫染色法で調べると、紫外線照射前には核内に分散していたpolηが紫外線照射後フォーカス形成するのに伴いRad18もフォーカス部位に共局在化することが明瞭となった。また両者の関係を生化学的手法を用いて調べると、両者は紫外線照射前より直接結合していることが明らかになった。これらの結果はDNA損傷に伴い、損傷部位での複製の停止が起るが、この時Rad18がPolηを引き連れて複製停止部位に移行し、PCNAをユビキチン化することでpolηによる損傷乗り越え複製を促進する可能性を強く示唆するものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sonoda, E., et al.: "Multiple roles of Rev3, the catalytic subunit of polz in maintaining genome stability in vertebrate"The EMBO Journal. 22(12). 3188-3197 (2003)
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[Publications] Takagi, Y., et al.: "Roles of MGMT and MLH1 proteins in alkylation-induced apoptosis and mutagenesis"DNA Repair. 2. 1135-1146 (2003)
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[Publications] Ren., Y., et al.: "Three novel mutations responsible for Cockayne syndrome group A"Genes & Genetic Systems. 78. 93-102 (2003)
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[Publications] Tateishi, S., et al.: "Enhanced genomic instability and defective postreplication repair in RAD18 knockout mouse embryonic stem cells"Molecular and Cellular Biology. 23(2). 474-481 (2003)
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[Publications] Okada, T., et al.: "Involvement of verebrate Pol in Rad 18-dependent postreplication repair of UV damage"Journal of Biological Chemistry. 277(50). 48690-48695 (2002)
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[Publications] Yamashita, Y.M., et al.: "RAD18 and RAD54 cooperatively contribute to maintenance of genomic stability in vertebrate cells"The EMBO Journal. 21(20). 5558-5566 (2002)