2001 Fiscal Year Annual Research Report
MutSヘテロダイマーによるミスマッチ認識機構の解析
Project/Area Number |
12143206
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
池島 三与子 日本医科大学, 医学部, 講師 (30246938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 隆 日本医科大学, 医学部, 教授 (20125074)
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Keywords | ミスマッチ修復 / DNA修復蛋白質 / ゲノム不安定性 / 発癌 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
ミスマッチ認識には複数の蛋白質が関与する。現在解明が進んでいるが不明の点も多い。そこで今まで研究してきたMutSヘテロダイマーを中心としたミスマッチ認識の分子機構を解明することを目的とし3つのアプローチを提案した。すなわち1)hMSH3蛋白質の機能解析、2)hMutSbetaを含むミスマッチ認識複合体の単離および解析、3)MutSヘテロダイマーのDNA結合スペクトラムの検討である。 今年度は3)に関して研究を進めたのでその成果について述べる。M13mp2のRFに存在するlacZ遺伝子と1塩基のミスマッチを持ち他は相補する塩基配列を持つオリゴヌクレオチドを細胞抽出液と共にインキュベート後回収しlacZ遺伝子の変異について解析した。種々のオリゴヌクレオチド(環状型キメラオリゴ、環状型オリゴ、ヘアピン型オリゴ、単鎖オリゴ)は、それぞれ標的遺伝子と相補する配列(25bp)を持ち、中央にミスマッチ塩基を持つオリゴと持たないオリゴを調製した。するとミスマッチに依存したlacZ遺伝子の変異が見られた。さらに精製hMutSalphaを用いたゲルシフトより細胞のミスマッチ修復系が関与することを見い出した。以上のことは、オリゴヌクレオチドを用いた遺伝子修復に細胞のミスマッチ修復系が関与していることが示している。今後ミスマッチ修復が欠損している細胞(LoVo)の抽出液を用いて遺伝子修復アッセイを行い、hMSH2の関与を明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ikejima, M. et al.: "Interaction between chimeric RNA/DNA oligonucleotides and double-stranded DNA"Mol. Ther.. 3. S363 (2001)
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[Publications] 池島三与子 他: "ミスマッチ修復の分子機構"蛋白質 核酸 酵素. 46. 1124-1129 (2001)
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[Publications] Ichikawa, M. et al.: "Decreased UV sensitivity, mismatch repair activity and abnormal cell cycle checkpoints in skin cancer cell lines derived from UVB-irradiated XPA-deficient mice"Mutation Res.. 459. 285-298 (2000)
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[Publications] Orimo, H. et al.: "Association between single nucleotide polymorphisms in the hMSH3 gene and sporadic colon cancer with microsatellite instability"J. Hum. Genet.. 45. 228-230 (2000)
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[Publications] 池島三与子: "hMLH3、新規ミスマッチ修復蛋白質"医学のあゆみ. 194. 686-687 (2000)
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[Publications] Nakajima, E.. et al.: "Identification of the protein components of mismatch binding complexes in human cells using a gel-shift assay"FEBS Lett. 453. 85-89 (1999)