2004 Fiscal Year Annual Research Report
ベクトル輸送を制御するG蛋白質共役型受容体を介した新規シグナル伝達経路
Project/Area Number |
12144202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 博史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60212122)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
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Keywords | G蛋白質 / 小胞輸送 / エンドサイトーシス / 微小管 / 染色体分離 |
Research Abstract |
チロシンキナーゼ関連受容体や三量体G蛋白質共役型受容体(GPCR)の刺激によって、細胞内へのシグナルの発生と共に受容体自身のエンドサイトーシスや細胞内の小胞形成による方向性をもったベクトル輸送が進行する。しかしながら、両受容体刺激を介するシグナル伝達経路のクロストーク部位や小胞輸送に介在する低分子量G蛋白質の作用機構については未解明な部分が多い。平成16年度は、主に小胞輸送系に介在する低分子量G蛋白質について解析し、以下の知見を得た。1、低分子量G蛋白質であるRab5の結合蛋白質として先に同定したRINファミリー分子は、SH2ドメイン、SH3ドメインの結合するProに富む配列やRas結合ドメインなど、シグナル伝達に関与し得る多くの機能ドメインを有したが、そのSH3ドメインにはアンフィファイシンIIが結合し、クラスリン被覆小胞の陥入に関与する可能性が示された。2、Rasファミリーに属する新規低分子量G蛋白質として、Rheb1,2、RRP22、さらにGie1,2を単離・同定した。3、Rhebはmammalian target of rapamycin (mTOR)を活性化して細胞の成長を制御する可能性が指摘されているが、活性型変異体Rhebを哺乳細胞に過剰発現すると、後期エンドソームからリソソームと考えられる巨大な小胞の形成が観察された。さらにRhebはベクトル輸送に介在する水チャネルやアミノ酸トランスポーターと結合し、それらの内在化を制御する可能性が示された。4、RRP22は細胞内でその多くがGTP結合型で存在するというユニークな特性を示し、核小体に局在化して存在した。5、Gieはチュブリンと結合し、その発現をRNAiによって抑制すると染色体の分離に異常が認められることから、微小管との相互作用を介して突起伸長や染色体分離を制御する可能性が示された。
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Research Products
(7 results)