2004 Fiscal Year Annual Research Report
小分子のベクトル輸送を担う分子の局在決定と細胞接着を結びつける分子機構の解明
Project/Area Number |
12144203
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
畑 裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80313237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 宏之 熊本大学, 医学部, 教授 (80314318)
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Keywords | 上皮細胞 / チャネル / トランスポーター / 細胞接着 / 微小管 |
Research Abstract |
多細胞生物の体内には特有の環境をもつコンパートメントがあり、上皮細胞・内皮細胞によって境されている。各コンパートメントの環境は、上皮細胞・内皮細胞の特定の領域に局在するチャネルやトランスポーターを介してイオン・水などの小分子が一定方向に輸送(ベクトル輸送)されることによって保持されている。私たちは、小分子のベクトル輸送を担う分子が、どのようにして細胞内の特定領域に局在決定されるかを、とくに細胞接着分子との関連で明らかにしようとしている。 昨年度までに、上皮細胞のタイトジャンクションの裏打ち蛋白質MAGI-1と相互作用する接着分子JAM4を見出し解析を行ってきた。今年度は、JAM4が発現することによりhepatocyte growth factorのシグナルが増強すること、その機序のひとつとして低分子量G蛋白Racの活性化が関与していることを明らかにした。JAM4もMAGI-1も共に腎臓の糸球体に豊富に局在することを昨年度までに明らかにしていたが、さらに詳細な解析を行った。その結果、腎臓糸球体においてMAGI-1はポドサイト間のスリット膜に限局するのに対して、JAM4はポドサイトの細胞体にも分布し、両者の局在は完全には一致しないことが明らかになった。さらに、スリット膜の主要な構成分子である接着分子nephrinがMAGI-1に結合することを見出した。 研究分担者の中西は、微小管系細胞骨格に結合する分子の探索を行い、4つの新規分子を同定した。そのうちの3つについては試験管内実験で、実際に微小管と結合することを確認し、さらに解析を進めている。
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