2002 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓における水チャネル・クロライドチャネルの細胞内動態に関する研究
Project/Area Number |
12144204
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 信一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50262184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 成 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60170677)
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Keywords | クロライドチャネル / 水チャネル / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
腎臓における経上皮ベクトル輸送を司る輸送体、チャネル蛋白のうち、10年来我々の研究の対象としてきた水チャネル、クロライドチャネルについて、その細胞内のソーティーングメカニズムに今年度は焦点を当てて研究を行った。まず第一に腎臓特異的に発現し、遠位部尿細管の基底膜側に発現するクロライドチャネルである、CLC-Kクロライドチャネルの細胞膜へのソーティングに最近バーター症候群の原因遺伝子として発見されたバーチン蛋白がどのように関わるかを培養細胞系を用いて検討した。その結果以下のことが判明した。バーチンはCLC-Kクロライドチャネルと複合体を形成し、CLC-Kクロライドチャネルの細胞内分布はバーチンの存在部位に左右される。このことは病気を引き起こすバーチンの変異体をCLC-K2と共発現させると、変異バーチン自身がERにとどまり、それにひきずられてCLC-K2もERにとどまることから推定された。また、CLC-K2蛋白自体の安定性も、バーチン存在下で飛躍的に増大し、バーチンがCLC-K2蛋白の重要なサブユニットであることが示された。そのほか、ヒトCLC-KB遺伝子プロモーターを単離し、その下流にEGFPをつないだトランスジェニックマウスを作成し、長らくその相同性の高さから決着のつかなかったヒトCLC-KA、KBがラット、マウスのCLC-K1, K2どちらに相当するかに、決着をつけることができた。 水チャネルに関しては、優性遺伝型AQP2水チャネルによる尿崩症で、そのdominant negative効果を培養細胞系で証明し、変異蛋白は本来とは逆の基底膜側に局在し、正常蛋白のapical側への輸送を妨げていることが判明した。 このように、腎臓での水、クロライド輸送にクリティカルに関わる分子の細胞内ソーティング機構について新たな知見を得ることができた。
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[Publications] Miyazaki H, Kaneko T, Uchida S et al.: "Kidney-specific chloride channel, OmClC-K, predominantly expressed in the diluting segment of fresh-water-adapted tilapia kidney"Proc. Natl. Acad. Sci USA. 99. 15782-15787 (2002)
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[Publications] Kobayashi K, Uchida S et al.: "Human CLC-KB Gene Promoter Drives the EGFP Expression in the Specific Distal Nephron Segments and Inner Ear"J. Am. Soc. Nephrol.. 13. 1992-1998 (2002)
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[Publications] Yoshikawa M, Uchida S et al.: "CLC-3 deficiency leads to phenotypes similar to human neuronal ceroid lipofuscinosis"Genes Cells. 6. 597-605 (2002)
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[Publications] Liu W et al.: "Analysis of NaCl transport in the thin ascending limb of Henle's loop in CLC-K1 null mice"Am. J. Physiol.. 282. F451-F457 (2002)